2013.02.11

レスリングはオリンピック競技に生き残れるか? 12日からのIOC理事会で1競技を“除外”

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 2月12~13日にスイス・ローザンヌで行われる国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、ロンドン・オリンピックで実施された26競技の中から、2020年大会に実施する25の「中核競技」が選ばれる。すなわち、1競技が外れることになる。

 IOCのジャック・ロゲ会長の「時代に合ったスポーツをオリンピック競技として実施していく」という方針のもとでのことで、ロンドン五輪で実施された26競技の世界的普及度、観客数、テレビ視聴者数、スポンサー収入などを分析し、理事会が判断する。

 外れた競技は、採用を目指す7競技(野球&ソフトボール、水上スキーのウエークボード、空手、スカッシュ、スポーツクライミング、ローラースポーツ、武術太極拳)と1枠を争う“敗者復活戦”がある。9月の総会で決定されるが、理事会で外した競技が同じ年の総会で復帰する可能性は極めて低いとされている。

 世界の主要メディアは、除外競技は近代五種かテコンドーを挙げているほか、世界王者の薬物スキャンダルで揺れる自転車も候補のひとつとなっているもよう。

 レスリングは、かつてグレコローマンの除外などが話題になったことがある。最近ではそうした声は聞かず、除外はないとされているが、2004年アテネ五輪の公式報告によると、世界のテレビ視聴者数では真ん中より下だっただけに(約2億5900万人。米国という“大票田”を抱えていた野球とソフトボール=ともにロンドン五輪から除外=より約1億6000万人下回っている)、ちょっぴり気になるIOC理事会だ。