2013.02.03

男子グレコローマンの全日本選抜チームが米国遠征から帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 「ジャック・ピント・カップ」と「デーブ・シュルツ記念国際大会」に出場した男子グレコローマンの全日本選抜チームが2月2日、成田空港着の全日空機で帰国した。

 伊藤広道監督(自衛隊)は「多い選手で合計9試合やった。この遠征の目的のひとつだった試合数をこなすことは達成できた。本場のスウェーデン、リトアニア、技術レベルの高いカザフスタンという外国勢に加え、ファイティングスピリットあふれるアメリカ選手との試合や練習をこなすことができ、収穫はあったと思う」と振り返った。

 選手にはカウンターをくらってもいいから攻めるレスリングを要求した。74kg級に出た清水博之(自衛隊)は、うまく逃げれば勝てた試合だったのに追加ポイントを狙って攻めて逆転フォール負けしてしまったが、「決して間違ったことではない。1階級上での闘いだったが、手ごたえはあったはず」と評価した。

 全体的には「もう少しこうすれば勝てたのに」という部分が少なからずあったそうで、 試合後、選手には「今回の結果をいかに次につなげていくかが大事。反省するべきところを反省し、自分の実力が世界のどのあたりにいるかを分析してリオデジャネイロ・オリンピックに向かってほしい」と伝えたそうだ。

 豊田雅俊コーチ(警視庁)は「強豪と言える国はカザフスタンぐらいでしたが、それでも優勝させてもらえず、厳しい大会だった。ただアメリカ選手との試合が多く、ヨーロッパとは違うグレコローマンを体感できたことはよかったと思う。各選手とも課題ができたので、今後、強化していきたい」と話す。

 その中で若い2選手がメダルを取ってくれたことは明るい材料とし、「やる気をもって取り組んでくれた結果だと思います」と、チームの活性化につながってくれることを望んだ。


 ■55kg級銅メダル・尾形翼(ALSOK)「個人戦で負けたカザフスタン戦は、スタンドで悔やまれる内容でした。自分で攻めにいって取られてしまいました。安定感がまだ足りないことが分かりました。収穫はリフトが思った以上に通じたことです。ヨーロッパの選手はグラウンドの防御が強いというイメージを持っていただけに、自信につながりました。(団体戦4戦全勝について)アメリカの一番手がいなかったですからね…。自信というか、まずまずだったかな、と。(5度目の国際大会にして初のメダル獲得だが)メダルを取るより技術をアップさせようと考えての遠征でしたので、特に思うことはありません」

 ■66kg級銅メダル・音泉秀幸(日体大)「準決勝の相手(昨年のアジア選手権60kg級優勝のカザフスタン選手)とは差を感じましたが、その選手が決勝で負けていたので、(自分の実力は)まだまだと思いました。グラウンドで返されたのですが、日本選手にはないステップで返され、すごくうまいと思いました。守りには自信があったのに、こんな簡単に返されるとは思いませんでした。グラウンドの強化をしたい。でも、初めての国際大会でメダルを取れたのは練習の成果だと感じています。練習では力強いそり投げをいっぱい受けてきましたので、日本で思い出し、自分の技にしたいと思います。(11日からハンガリー遠征にも参加予定)今回よりレベルが高いことが予想されます。グラウンド技を確認し、技に磨きをかけてから参加したい」