※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子両スタイルの学生選抜チーム(右写真)が1月27日、成田空港発の全日空機で米国コロラドスプリングズに向けて出発した。すでに米国入りしている全日本選抜チームと合流し、31日から始まる「デーブ・シュルツ記念国際大会」に出場する。
滝山将剛団長(全日本学生連盟会長)は「ユニバーシアードにつなげるべく大事な遠征。ロンドン五輪でいい成績をおさめたことで、若い選手が『おれも続く』という意気込みでやってほしい」と期待する。
これまで何度も学生の海外遠征に同行している同団長は「負ける選手には共通することがある。闘っていないこと。負けていても攻めないなど闘う気持ちが欠けている。自信をもって闘ってもらいたい」とも話し、闘争心を前面に出しての闘いを望んだ。
グレコローマンの西口茂樹コーチ(拓大職)は「簡単に勝てるほど甘くはない。勝てなくても、何かをつかんでもらい、ユニバーシアードに続けさせたい」と期待。最近海外遠征に行っていないので、「世界のレスリングを勉強したい」と話し、自身も今後の指導に役立つものを持ち帰りたいという。
フリースタイルの松永共広コーチ(日体大大学院=2008年北京五輪55kg級銀メダル)は「どの選手にもいい経験をさせたい。『学生だから勝てない』ではなく、『学生でも勝てる』となるようにサポートしたい。(この大会は)年によってレベルが違うが、今回はオリンピック後の大会なので、だれにでもチャンスがある」と話した。
■新技に挑戦する学生二冠王者の嶋田大育(国士舘大)
グレコローマンの主将に推された74kg級の小森大祐(拓大)は「大学に入学して初めての海外遠征なので緊張していますが、練習通りにやれば勝てると思います。アメリカのグレコローマンは力強いというイメージ持っています。主将として変な成績は残せません」と、フリースタイルの砂川航祐主将(日体大)は「いい環境をつくって(主将の)責任を果たしたい。先輩に聞くと、米国のレスリングは闘争心むき出しの激しい闘いをしてくると聞いている。そのあたりを勉強したい」と、それぞれ話した。
滝山団長の訓示を聞く選手たち
チームで唯一学生二冠王者(全日本学生選手権、全日本大学選手権)のフリースタイル74kg級の嶋田大育(国士舘大)は「国際大会は4度目になります。経験を積むことも大事だけど、結果を残したいという気持ちがあります」と気合十分。
12月の全日本選手権でロンドン五輪代表の高谷惣亮(ALSOK)と闘い、強さを実感したが、その高谷が25日に行われた「ヤリギン国際大会」(ロシア)で結果を出せず、「上には上がいる」と、さらなる努力の必要性を感じたという。高谷戦のあとに新しく挑んだ技があるので「試してみたい。その結果で今後使えるかどうか決めたい」と、いろんな課題を持っての遠征を強調した。
1年生からは3選手が参加する。フリースタイル55kg級の高橋侑希(山梨学院大)は「外国選手の技や攻め方を研究したい。(当面の目標の)森下さん(史崇=日体大)がロシアで結果出したので、負けたくない」、同96kg級の山本康稀(日大)は「けがをしないように頑張りたい。7月のユニバーシアードへ向けて外国人対策をしてきたい」、グレコローマン66kg級の魚住彰吾(専大)は「アジア・ジュニア選手権ではいい成績出せなかったので、今回は頑張りたい。米国選手は力でくると聞いている。動きと左右から攻めることで対応したい」と、それぞれ緊張の中にも闘争心を燃やした。
参加選手は下記の通り。
【団長】滝山将剛(全日本学生連盟会長) 【フリースタイル・コーチ】松永共広(日体大大学院)、小幡邦彦(山梨学院大コーチ) 【グレコローマン・コーチ】西口茂樹(拓大部長)、馬渕賢司(中京学院大監督) 【帯同審判】岡山智紀(山口・田布施農高教)、増田莊史(香川・多度津工高教) |
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【フリースタイル選手】 ▼55kg級 高橋侑希(山梨学院大) ▼60kg級 鴨居正和(山梨学院大) ▼66kg級 砂川航祐(日体大) ▼74kg級 嶋田大育(国士舘大) ▼84kg級 赤熊猶弥(拓大) ▼96kg級 山本康稀(日大) ▼120kg級 金沢勝利(山梨学院大) |
【グレコローマン選手】 ▼55kg級=派遣なし ▼60kg級 射場大地(日体大) ▼66kg級 魚住彰吾(専大) ▼74kg級 小森大祐(拓大) ▼84kg級 鈴木友希(山梨学院大) ▼96kg級 大坂昂(早大) ▼120kg級 前川勝利(早大) |