※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■女子63kg級決勝第3ピリオド
(監修=斎藤修・日本協会審判委員長)
当初は、赤のテークダウンと青のレッグホールドの双方を取り、両者2点と判定されました。赤のチャレンジによるビデオチェックの結果、赤の2点と判定されたシーンです。
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(1)赤がタックルを仕掛け、青の左足首を取りました。赤がテークダウンを仕掛けるとともに、青もレッグホールドを仕掛け、赤の体を回します。(この場合、明らかに赤が攻撃側、青が防御側となります)
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(2)赤の背中は完全にマットに向いていますが、技をかけるためで、通称「リスク・レスリング」で失点にはなりません。最後には青を押さえるアクションもあります。青は両手のクラッチを離してバンザイの状況となり、瞬間フォールの状態になったとも解釈されます。したがって、赤の2点となります。下記の条文の前半部分が適用されます。
もし青が途中で両手を離すことなく、最後までレッグホールドを完遂していたら、下記の条文の後半部分が適用され、両者2点、または青のみの2点=この場合は最後に赤がバックを取ったことで赤に1点が入ります=となるでしょう。
第37条 攻撃側のレスラーが、ブリッジ体勢で積極的な技術展開を行い、そのまま体勢を継続しつつ、相手をデンジャーポジションに持ち込んだ場合は、攻撃側レスラーに不利になることなく、リスクを取り込んだ技術が成立したとみなされ、攻撃側のレスラーのテクニカルポイントのみが有効となる。 一方、攻撃側のレスラーが、ブリッジ体勢での技術展開中に防御側のレスラーにブロックされたり、カウンターアタックされると、そのブリッジ体勢がデンジャーポジション体勢に移行したことになり、防御側のレスラーの技術展開に見合うテクニカルポイントが与えられるのは明白である。 |