2012.12.22

【全日本選手権第2日】優勝選手・談話

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材=増渕由気子・渋谷淳・樋口郁夫、撮影=矢吹建夫、12月22日、東京・代々木競技場第2体育館)


 ■男子グレコローマン84kg級・岡太一(自衛隊=チームの先輩を破って2年ぶり2度目の優勝)「(74kg級で)去年優勝の選手に勝てたのでうれしいです。不安な気持ちはありましたが、練習でやってきたことをやれればいいかなと思っていて、それがうまくいってよかったです。

 相手に合わせるのではなく、自分の技をしっかり出すことを考えていました。グラウンドの技に切れがあったのは、6月の全日本選抜選手権の決勝で天野選手を持ち上げたのに、乗られてしまったので、今回はしっかりとできるように練習してきました。

 4年後のリオデジャネイロ・オリンピックを目指して一つ一つ頑張りたい。来年の目標は、前の世界選手権(2011年)は1回戦負けだったので、(世界選手権に出場して)入賞を目指したいです」(右写真=青が岡)


 ■男子グレコローマン96㎏級・齋川哲克(両毛ヤクルト販売=ロンドン五輪組でこの日唯一の出場選手。圧倒的な力を見せつけて連覇を達成)「オリンピックでは1回戦負けで、疲れてもいないので、国体も全日本選手権も出ました。応援してくれる人がいるので、頑張るところを見せられたらいいと思いました。オリンピック選手だから負けられない、ではなく、出る試合はすべて負けられません。

 (96㎏級に上げて1年がたち)最近では減量も多少するようになり、ようやく96㎏級の体ができてきたと思います。(日本では練習相手がいない?)国内では確かに物足りないと感じることもあるけど、工夫次第だと思っています。今後はいきなりオリンピックを目指すのではなく、1年1年と積み重ねた結果がオリンピックにつなげていきたい」


 ■男子グレコローマン120㎏級・前川勝利(早大=昨年の全日本選抜選手権に続くビッグタイトル)「今年の前半はけがで試合に出られなかったので、今回、優勝できてうれしい。けがから復帰してすべての大会で優勝できたこともよかった。サポートしてくれた皆さんに感謝したい。

 今日はスタンドでポイントを取ろうと思っていた。決勝はスタンドで取れたけど、準決勝まではグラウンドにいってしまったので、そこが課題。来年は学生のタイトルをしっかり取って、全日本選抜選手権にも勝って、プレーオフなしで世界選手権に出場したい(昨年は全日本選抜選手権を制しながらプレーオフで敗退)」(左写真=青が前川)


 ■男子フリースタイル55kg級・森下史崇(日体大=初戦で学生界のライバルを倒すなどして初優勝)「とりあえず優勝できてよかった。決勝は稲葉選手と対戦すると思っていた。決勝に上がってきた半田選手は今年入って何度かやっていている相手で、負けたことがなかったので、勝てると思っていました。

 (全日本学生2連覇で全日本4位の成績を持つ父・敏清さんが成し遂げられなかった全日本チャンピオンになることができたことについて)やっと父を超えられました」


 ■男子フリースタイル60kg級・前田翔吾(至学館大職員=下馬評通りに実力を発揮して優勝)「4月の五輪プレーオフで負けて、今年は節目の年。(次の五輪を考えずに)1年1年やろうと思う人もいるけれど、僕はもう4年後のリオデジャネイロ・オリンピックまでやると決めました。

 決勝の高塚選手は何回もやっている相手。最後はボールピックアップになって、運で勝ってしまった。第3ピリオドのピックアップは、(3つのボールのうち)2つが自分のボールということが脳裏をよぎったところもあった。そういう考えでプレーオフもダメにした(注=ボールピックアップで勝負がついた)。またそういう結果になりかねないので、最後にボールで勝負が決まることがないようにしたい」(右写真=赤が前田)


 ■女子48㎏級・登坂絵莉(至学館大=これまで未勝利の入江ゆきを決勝で下して優勝)「決勝は接戦になると思っていたし、厳しい局面もあると思っていた。入江さんには苦手意識があって、びびッてしまう部分もあったけど、今日は絶対に勝つという強い意識を持って、自分から攻めるように心がけたのがよかった。

 (9月の世界選手権で不運な判定負けで銀メダル)国内で入江さんに勝てなかったから銀メダルだったと思います。(今年は躍進の1年だったと問われて)ここで止まらずに前に進みたい。来年は世界選手権で絶対に金メダルと獲りたいです」(左写真=青が登坂)


 ■女子63㎏級・工藤佳代子(自衛隊=渡利璃穏との決勝は、チャレンジで判定が変わる大接戦の末に優勝)「今日は初戦から調子がよくなかったけど、最後にやってきたことが出てラッキーだった。9月に世界選手権に初めて出場して(5位入賞)、大きな舞台に立てたことは自信になった。

 世界選手権では後半に逆転されるとか、足のステップとか、反省材料がたくさんあった。今日はその反省があまり生かせなかったので、帰ってまた練習します」