※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
10月28日(月)~31日(木)にアルバニア・ティラナで行われる非オリンピック階級の世界選手権に出場する男子グレコローマン・チームが24日、成田空港から出発した。
鶴巻宰コーチ(自衛隊)は「4選手ともメダルが期待できる実力をもっています」ときっぱり。その中に高校生が加わっていることは「すごいことですよね」と話し、日本グレコローマンのレベルアップを感じている様子。スタンドでは外国選手と互角に闘えるので、グラウンドで確実にポイントを取り、守ることを徹底させたいと言う。
パリ・オリンピックの好成績で日本へのマークがきつくなっているが、「マークされても、自分のやれることをやれば勝てるので、自信をもって闘わせたい」と話した。
今年4月のアジア選手権(キルギス)で優勝し、日本男子史上最年少(17歳11ヶ月23日)のアジア王者として臨む82kg級の吉田泰造(香川・高松北高)は、日本男子で史上3人目の高校生での世界選手権出場。グレコローマンでは初めて。優勝すれば「18歳6ヶ月5日」でのチャンピオンとなり、2018年の乙黒拓斗(自衛隊=当時山梨学院大)が記録した「19歳10ヶ月9日」を上回る最年少世界王者となる(来年もその可能性があるが…)。
世界へ臨む意気込みを問われた吉田は、「アジア選手権で優勝して、ちやほやされて…」と話し始めた。心のすきができて、反省の言葉が続くのかと思われたが、「世界でも優勝して、もっとちやほやされたいと思います」-。若い強豪選手に共通することかもしれないが、持ち上げられ、おだてられるほど、それをエネルギーに変えることのできる選手なのだろう。
これまでに出場したU17とU20の世界選手権は、同世代の選手が相手だが、今度は年齢差の大きい選手も多く出場する大会。それでも「同じ階級の選手と闘うのですから」と恐れる様子はまったくなし。男子高校生が世界選手権に挑むのは過去2人しかいないことを聞かされても、「プレッシャーには感じません。優勝して、吉田泰造はすごいぞ、ということを日本と海外のレスリング関係者に見せつけたい、という気持ちです。目指すは優勝です」とひるむことなく答え、気合十分で決戦の地へ向かった。
大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。女子と男子フリースタイルは25日に出発する。
■55kg級・岡本景虎(専大クラブ)「目標は優勝で、そのための練習を積んできた。自信をもって闘いたい。自分のスタイルを世界に見せつけて勝ちたいと思います。(4月の)アジア選手権は久しぶりの国際大会だったので、自分のレスリングができず、相手に合わせてしまった。他の大学へ何度も出げいこに行くなどして、闘ったことのない選手とも積極的に練習し、どんな相手でも自分のレスリングができるように心がけてきました」
■63kg級・鈴木絢大(レスター)「やるべきことは、やってきました。それを出すだけです。ロサンゼルス・オリンピックに向けての闘いは始まっていますので、優勝して弾みをつけたいと思います。(アジア選手権に続いて63kg級での試合だが)まだ慣れた、とは言えませんね。技の重さは痛感していますので、それをやらせないように考えた練習をやってきました。どんなことがあっても対応できるようしたい」
■72kg級・清水賢亮(自衛隊)「3年前に出場したときより2階級上ですので、ちょっとドキドキしています。ただ、減量がないのでプレッシャーも感じずに挑むことができると思います。(72kg級での出場にそなえ)ふだんから上の階級の選手との練習を多くしてきました。グラウンドのディフェンスの練習を重点的にやってきたので、それをしっかり出したい。あとはベストコンディションで臨むだけです」
10月28日(月)男子グレコローマン55・63・72・82kg級/1回戦~準決勝
29日(火)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
女子55・59・65・72kg級/1回戦~準決勝
30日(水)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
男子フリースタイル61・70・79・92kg級/1回戦~準決勝
31日(木)前日開始階級の敗者復活戦とファイナル
【チームリーダー】赤石光生(日本オリンピック委員会)、【監督】豊田雅俊(警視庁)
【男子グレコローマン・コーチ】 笹本睦(日本オリンピック委員会)、鶴巻宰(自衛隊)
【女子コーチ】金浜良(サントリー)、冨田和秀(自衛隊)
【男子フリースタイル・コーチ】小幡邦彦(山梨学院大教)、馬渕賢司(岐阜・恵峰学園職)
【ドクター】矢野雄一郎(とちぎメディカルセンター)、【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)、【栄養】仲西加奈(JSC業務委託)
【男子グレコローマン】
▼55kg級 岡本景虎(専大クラブ)
▼63kg級 鈴木絢大(レスター)
▼72kg級 清水賢亮(自衛隊)
▼82kg級 吉田泰造(香川・高松北高)
【女子】
▼55kg級 清岡もえ(育英大)
▼59kg級 金城梨紗子(サントリー)
▼65kg級 森川美和(ALSOK)
▼72kg級 石井亜海(育英大)
【男子フリースタイル】
▼61kg級 小野正之助(山梨学院大)
▼70kg級 青柳善の輔(クリナップ)
▼79kg級 髙橋海大(日体大)
▼92kg級 石黒峻士(MTX GOLDKIDS)