2012.10.24

吉田沙保里(ALSOK)が国民栄誉賞を受賞

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

ALSOK社長らと会見に臨んだ吉田(左から2人目)

 政府は10月23日の閣議で、五輪3度を含めて世界大会を13大会連続で優勝した吉田沙保里選手(ALSOK)に国民に深い感動と勇気を与えた点を評価して国民栄誉賞を与えることを正式に決めた。昨年のサッカー「なでしこジャパン」以来で、20例目。

 スポーツ界では、王貞治(1977年=プロ野球)、植村直己(1984年=冒険)、山下泰裕(1984年=柔道)、衣笠祥雄(1987年=プロ野球)、千代の富士(1989年=大相撲)、高橋尚子(2000年=陸上)、日本女子サッカーチーム(2011年)に続く受賞。

 吉田選手は午前中、都内のホテルで朗報を聞き、「謹んでお受けします。光栄です。レスリングと出会えたことに感謝するとともに、ここまで育ててくれたレスリング協会、コーチの方々、会社、大学の関係者などすべての人に感謝いたします。これからも謙虚な気持ちを忘れずに努力を続け、多くの人に感動を与えられるようにしたいきたいと思います」とコメント。

 午後3時から都内の京王プラザホテルでALSOKの青山幸恭社長、日本協会の福田富昭会長、栄和人・女子強化委員長(至学館大教)とともに会見が行われ、30社から100人を超える報道陣が集結。ワイドショーの時間帯だったこともあり、生中継したテレビ局が3社あるなど盛況だった。

 吉田は「大変名誉ある賞をいただくことができ、国民の皆様のご支援の賜物と感謝しています。国民の皆様の応援が背中を押してくれ、大変な時も支えてくれました」と、まず国民に感謝。「これからも世界記録を更新することで、国民栄誉賞(を授賞してもらったこと)におこたえしたい。世界14連覇、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックの優勝に向けて頑張りたい」と、さらなる記録更新を誓った。

栄和人・強化委員長に肩車される吉田

 また「アテネ、北京、ロンドンと3度のオリンピックに出場し、すばらしい国民行事ということを感じました。多くの人に夢を、東日本大震災の被災地の方に勇気を持ってもらうために、2020年東京オリンピックの誘致を盛り上げていきたい」と、東京でのオリンピック開催への気持ちを訴えた。

 同席した日本協会の福田富昭会長は「若い選手の目標になるし、これに続く選手が出てきてほしい」と話し、「レスリング界で初の快挙。お世話になった方、協力してくれた人を集め、ささやかな食事会をしたいと思う」と、支援してくれた人たちをねぎらった。

 栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は「ここに来るまでに、けがをしたり、熱を出したり、体調不良という時もあった。それら乗り越えて13連覇を達成したことが評価され、本当にうれしい」と話した。

 授賞式は11月7日に行われる。


 ◎ロンドン五輪金メダリストの祝福メッセージ

 ■男子フリースタイル66kg級・米満達弘(自衛隊)「おめでとうございます。吉田さんの存在は常に励みになってきました。少年少女選手やこれからの選手に大きな勇気を与えたと思います。(自分は)これから世界13連覇することは無理だと思いますが、オリンピック2連覇を目指して頑張っていきたいと思います」

 ■女子48kg級・小原日登美(自衛隊)「沙保里というライバルがいたから、ここまでやってくることができました。48kg級でオリンピック出場を決めてからは、オリンピックのことを何かとアドバイスしてくれ、安心して闘うことができました。おめでとうございます。体に気をつけて、これからも頑張ってください」

 ■女子63kg級・伊調馨(ALSOK)「沙保里さんのいつも前向きでひたむきな姿が、長年にわたる世界V13という記録を生み出し、国民に感動と笑顔を与えたのだと思います。本当におめでとうございます」

CMや結婚の質問も出たが、サラリとかわした吉田

レスリングの会見に生中継が入ったのは初(?)