藤波朱理（日体大）が優勝、元木咲良（育英大）は銀…2023年世界選手権・第6日（1）

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

　【ベオグラード（セルビア）】2023年世界選手権第6日は9月21日、当地で前日開始の女子4階級の敗者復活戦とファイナルが行われ、決勝に進んだ53kg級の藤波朱理（日体大）が優勝、62kg級の元木咲良（育英大）が銀メダルを獲得。3位決定戦に回った72kg級の森川美和（ALSOK）は銅メダルを手にしたが、68kg級の石井亜海（育英大）は5位に終わった。

　石井は、オリンピック出場枠を争う“5位決定”の特別試合で勝利。来年のパリ・オリンピックの出場枠は取った。日本協会の定めた規定によって代表内定とはならず、12月の天皇杯全日本選手権で優勝すれば内定、別の選手が優勝した場合は両選手でプレーオフを行い、勝者が代表となる。

　藤波は、2012・17年大会の48・53kg級で世界一に輝いているバネサ・カラジンスカヤ（AIN＝ベラルーシ）と対戦し、テクニカルスペリオリティで勝利。2年ぶりの優勝を達成した。今大会の5勝で、国内外の連勝記録は「127」に伸びた。

▲初の父娘のウィニングランに涙ぐむ父・俊一コーチ（日体大コーチ＝2021年の優勝のときは参加していなかった）。

　元木は2019・21年世界チャンピオンのアイスルー・チニベコワ（キルギス）相手に一進一退の攻防を続けたが、チニベコワに一日の長があり、1ー4で黒星。世界一を逃した。世界選手権は昨年の59kg級銅メダルに続くメダル獲得。

　森川は昨年のU23世界チャンピオンとの敗者復活戦を勝って3位決定戦へ進出。昨年7位のケンドラ・ダチャー（フランス）を4－2で下し、この階級に初出場で銅メダルを手にした。

　石井は敗者復活戦を勝ち上がってきた2021年65kg級世界チャンピオンのイリナ・リンガシ（モルドバ）と銅メダルをかけて対戦。終盤にリードを奪ったが、終了間際に逆転され、メダルを逃した。オリンピック出場枠のこの大会の最後の1枠をかけた闘いは、エンマ・ブルンティル（米国）に2－0で勝った。

▲終盤、勝負をかけた元木咲良だが、チニベコワにカウンターで返され、及ばなかった

　女子は全日程を終了。昨年の5階級優勝を上回る6階級を制し、「銀1・銅1」を取って国別対抗得点は195点をマーク。米国の135点に60点の大差をつけて、2013年以降、9大会連続優勝を継続。3位はモンゴルで、中国、ウクライナ、モルドバと続いた。

　各選手の成績は下記の通り。

▲9大会連続で国別対抗得点優勝の日本女子チーム

女子

　【53kg級】藤波朱理（日体大）　　　優勝＝31選手出場《トーナメント表》
決　勝　○［テクニカルスペリオリティ、4:43=10-0］Vanesa Kaladzinskaya（AIN＝ベラルーシ）

《以下、前日に実施》
準決勝　　○［テクニカルスペリオリティ、0:42=10-0］Maria Prevolaraki（ギリシャ）
準々決勝　○［フォール、4:51=16-7］Lucia Yamileth Yepez Guzman（エクアドル）
２回戦　　○［テクニカルスペリオリティ、1:31=10-0］Jeongbin Oh（韓国）
１回戦　　○［テクニカルスペリオリティ、1:21=10-0］Tuba Demir（トルコ）

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　【62kg級】元木咲良（育英大）　　　2位＝34選手出場《トーナメント表》
決　勝　●［1-4］Aisuluu Tynybekova（キルギス）

《以下、前日に実施》
準決勝　　○［2-1］Grace Jacob Bullen（ノルウェー）
準々決勝　○［テクニカルスペリオリティ、3:20=10-0］Lais Nunes（ブラジル）
３回戦　　○［4-0］Bilyana Zhivkova Dudova（ブルガリア）
２回戦　　○［テクニカルスペリオリティ、0:46=10-0］Ariukhan Jumabaeva（ウズベキスタン）
１回戦　　ＢＹＥ

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　【68kg級】石井亜海（育英大）　　　5位＝33選手出場《トーナメント表》
特別試合　○［2-0］Emma Patricia BRUNTIL（米国）
３決戦　●［8-8］Irina Ringaci（モルドバ）　

《以下、前日に実施》
準決勝　　●［テクニカルスペリオリティ、2:40=1-11］Buse Cavusoglu Tosun（トルコ）
準々決勝　○［不戦勝＝負傷］Meerim Zhumanazarova（キルギス）
３回戦　　○［8-4］Yuliana Vasileva Yaneva（ブルガリア）
２回戦　　○［フォール、0:25=2-0］Dieu Thuong Lai（ベトナム）
１回戦　　　ＢＹＥ

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　【72kg級】森川美和（ALSOK）　　　3位＝18選手出場《トーナメント表》
３決戦　○［4-2］Kendra Augustine Jocelyne Dacher（フランス）
敗復戦　○［6-0］Nesrin Bas（トルコ）

《以下、前日に実施》
準々決勝　●［0-6］Amit Elor（米国）
２回戦　　○［5-2］Qiandegenchagan（中国）
１回戦　　○［3-0］Nurzat Nurtaeva（キルギス）