【2023年世界選手権・展望(30)完】リザ・カヤルプ(トルコ)が“前例通り”の優勝を果たすか…男子グレコローマン130kg級

 

(2023年9月16~24日、セルビア・ベオグラード)


 昨年優勝で第1シードのリザ・カヤルプ(トルコ)は、過去3度、オリンピック前年の世界選手権で優勝している(2011・14・19年)。その“慣習”でいくなら、今年の世界選手権でも優勝し、来年のパリ・オリンピックへ向けて弾みをつけたいだろう。今年は欧州選手権で優勝(7月のハンガリーでの国際大会はエントリーしながら負傷不戦敗による10位)。世界一に輝き、悲願のオリンピック優勝に突き進みたいところ(過去3度は、いずれもキューバのミハイン・ロペスが優勝)。

▲“前例”に従い、オリンピック前年の世界選手権を制するか、リザ・カヤルプ(トルコ)=2022年世界選手権

 昨年2位のアミン・ミルザザデ(イラン)は、今年のアジア選手権とキルギスでのUWWランキング大会で優勝し、カヤルプへのリベンジに向けて実力をキープしている。2021年東京オリンピック2位のイアコビ・カジャイア(ジョージア)は、昨年はミルザザデに敗れての5位。今年は第4シードで参加し、初の栄冠を目指す。

 キューバ代表で出てくるオスカル・ピノは、2019年世界選手権で2位になった実力者。今年のパンアメリカン選手権でも2連覇を達成しているが、出場枠を取っても、オリンピック5連覇を目指すミハイン・ロペスに譲り、自身はフリースタイルでパリ・オリンピックを目指すと伝えられている。グレコローマンでもしっかり勝っておきたいことだろう。

 2013年120kg級世界王者で、2019年世界選手権3位で東京オリンピック出場を決めていながら、ドーピング違反で出場できなかったヘイキ・ナビ(エストニア)が、38歳にして世界の舞台に復帰してくる。7月のポーランドの国際大会で2位。往年の実力を発揮できるか。


シード選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

No.1 – Riza KAYAALP(トルコ)=2022年世界選手権優勝/2023年欧州選手権優勝
No.2 – Alin ALEXUC CIURARIU(ルーマニア)=2022年世界選手権3位
No.3 – Amin MIRZAZADEH(イラン)=2022年世界選手権2位/2023年アジア選手権優勝
No.4 – Iakobi KAJAIA(ジョージア)=2023年欧州選手権3位
No.5 – Lingzhe MENG(中国)=2023年アジア選手権2位
No.6 – Dariusz Attila VITEK(ハンガリー)
No.7 – Oscar PINO HINDS(キューバ)
No.8 – Oskar MARVIK(ノルウェー)=2023年欧州選手権3位


エントリー選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

奥村総太(日本)
Ilya YUDCHYTS (AIN)
Sergei SEMENOV (AIN)
David OVASAPYAN (ARM)
Daniel GASTL (AUT)
Beka KANDELAKI (AZE)
Eduard SOGHOMONYAN (BRA)
Yasmani ACOSTA (CHI)
Lingzhe MENG (CHN)
Oscar PINO (CUB)
Marcel ALBINI (CZE)
Abdellatif MOHAMED (EGY)
Heiki NABI (EST)
Matti KUOSMANEN (FIN)
Iakobi KAJAIA (GEO)
Jello KRAHMER (GER)
Dariusz VITEK (HUN)
Amin MIRZAZADEH (IRI)
Alimkhan SYZDYKOV (KAZ)
Seungchan LEE (KOR)
Romas FRIDRIKAS (LTU)
Paul MORALES (MEX)
Oskar MARVIK (NOR)
Alin ALEXUC CIURARIU (ROU)
Boris PETRUSIC (SRB)
Aybegshazada KURRAYEV (TKM)
Riza KAYAALP (TUR)
Oleksandr CHERNETSKYY (UKR)
Cohlton SCHULTZ (USA)
Mehar SINGH (UWW)
Temurbek NASIMOV (UZB)