【2023年世界選手権・展望（20）】アデライン・グレイ（米国）が7度目の世界一を目指す…女子76kg級

（2023年9月16～24日、セルビア・ベオグラード）

　昨年優勝のヤセミン・アダー（トルコ）は負傷で不参加。第1シードで昨年2位のハムザ・サマー（エジプト）がアフリカ女子初の世界チャンピオンを目指す。今年は6度目のアフリカ・チャンピオンに輝いており、悲願に向かっている。

　昨年5位のゲネシス・レアスコ（エクアドル）が第2シード、同3位のエップ・マエ（エストニア）が第3シード、同5位で2018年72kg級世界チャンピオンのジャスティナ・ディスタシオ（カナダ）と続くが、優勝候補の対抗としては、2021年に米国女子最多となる6度目の世界一を達成したアデライン・グレイだろう。

▲自らの持つ米国女子最多優勝記録の更新へ挑むアデライン・グレイ＝2021年世界選手権（UWWサイトより）

　東京オリンピック決勝で不覚を喫したあと、昨年7月に双子を出産。今年初めに復帰。全米選手権は若手選手に敗れて優勝を逃したものの、その後の世界選手権代表決定戦に勝ってベオグラードのマットに立つことになった。2年ぶりの国際大会で、米国女子の記録を塗り替えるか。

　アジアから優勝を目指すのは、2021年にU23世界選手権を制したアイペリ・メデトキジ（キルギス）であり、昨年3位の鏡優翔（東洋大）。メデトキジは今年、アジア選手権2位のあとキルギスでの国際大会で優勝。鏡は昨年、今大会で第2シードになっているエクアドル選手に勝っており、負傷からの回復が完全ならメダル争いには加わる力は十分。2003年の浜口京子以来、日本選手として20年ぶりの最重量級世界チャンピオンを目指す。

シード選手（8月現在＝最終エントリーで変わる場合があります）

No.1 – Samar HAMZA（エジプト）＝2022年世界選手権2位
No.2 – Genesis REASCO（エクアドル）
No.3 – Epp MAE（エストニア）＝2022年世界選手権3位
No.4 – Justina DI STASIO（カナダ）
No.5 – Aiperi MEDET KYZY（キルギス）＝2023年アジア選手権2位
No.6 – 鏡優翔（日本）＝2022年世界選手権3位
No.7 – Cynthia VESCAN（フランス）＝2023年欧州選手権3位
No.8 – Francy RAEDELT（ドイツ）

エントリー選手（8月現在＝最終エントリーで変わる場合があります）

鏡優翔（東洋大）
Anastasiya ZIMIANKOVA (AIN)
Justina DI STASIO (CAN)
Yuanyuan HUANG (CHN)
Amy YOUIN (CIV)
Tatiana RENTERIA (COL)
Milaimys MARIN POTRILLE (CUB)
Genesis REASCO (ECU)
Samar HAMZA (EGY)
Epp MAE (EST)
Cynthia VESCAN (FRA)
Francy RAEDELT (GER)
Enrica RINALDI (ITA)
Inkara ZHANATAYEVA (KAZ)
Aiperi MEDET KYZY (KGZ)
Jimin BAEK (KOR)
Kamile GAUCAITE (LTU)
Atzimba LANDAVERDE (MEX)
Zagardulam NAIGALSUREN (MGL)
Hannah RUEBEN (NGR)
Marion BYE (NOR)
Catalina AXENTE (ROU)
Mehtap GULTEKIN (TUR)
Anastasiya ALPYEYEVA (UKR)
Adeline GRAY (USA)
Divya KAKRAN (UWW)
Svetlana OKNAZAROVA (UZB)
Maria ACOSTA (VEN)
Thi Linh DANG (VIE)