【2023年世界選手権・展望(19)】アミト・エロル(米国)の快進撃を、だれが止めるか…女子72kg級

 

(2023年9月16~24日、セルビア・ベオグラード)


 昨年、19歳で世界一に輝き、米国女子の最年少世界チャンピオンとなったアミト・エロルが2年連続優勝を目指す。エロルの快挙は、米国女子史上最年少の世界チャンピオンだけではない。

 昨年、U20とU23の世界選手権でも優勝しており、年間を通じて3世代の世界チャンピオンに輝いたことと、2021年にはカデット(現U17)の世界タイトルも取っているので、10代にして4世代の世界タイトルを取ったこと(注=尾﨑野乃香も昨年、10代で両方の記録を達成している)。

 今年1月に19歳になったエロルは、パンアメリカン選手権とU20世界選手権を勝ち、無敗の白星街道を進撃。来年のパリ・オリンピックへ向けて階級を上げるか下げるか不明だが、須﨑優衣に続くグランドスラム(4世代の世界選手権とオリンピック制覇)の可能性を大きく秘めた選手。今大会でも優勝候補の筆頭と言えるだろ。

▲無敵の白星街道を突っ走るアミト・エロル(米国)=2022年世界選手権

 昨年65kg級を制した森川美和(ALSOK)が、その快進撃を止めることができるか。国内外を通じて72kg級で闘ったのは7月の世界選手権代表選考プレーオフが初めて。初の階級で世界一争いに加われるか。

 第1シードはエロルではなく、昨年2位で今年のアジア選手権で2連覇を成し遂げたジャミラ・バクベルゲノワ(カザフスタン)。その後、キルギスとハンガリーの国際大会でも優勝しており、安定した実力でエロルへ挑む。68kg級で昨年のU23世界選手権を制したネスリン・バス(トルコ)が、この階級で優勝争いに参戦できるか。

 他の注目として、今年の欧州選手権で5位だったイラナ・クラティシュが、イスラエル女子初のメダルを手にできるかどうかがある。2011年以来、7度目の世界選手権。女子新興国の実力を発揮できるか。


シード選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

No.1 – Zhamila BAKBERGENOVA(カザフスタン)=2022年世界選手権2位/2023年アジア選手権優勝
No.2 – Amit ELOR(米国)=2022年世界選手権優勝
No.3 – Dalma CANEVA(イタリア)=2023年欧州選手権3位
No.4 – Davaanasan ENKH AMAR(モンゴル)=2023年アジア選手権3位
No.5 – Shauna KUEBECK(カナダ)
No.6 – Kendra DACHER(フランス)
No.7 – QIANDEGENCHAGAN(中国)
No.8 – Alina LEVYTSKA(ウクライナ)


エントリー選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

森川美和(日本)
Sofiya GEORGIEVA (BUL)
Shauna KUEBECK (CAN)
QIANDEGENCHAGAN (CHN)
Kendra DACHER (FRA)
Ilana KRATYSH (ISR)
Dalma CANEVA (ITA)
Zhamila BAKBERGENOVA (KAZ)
Nurzat NURTAEVA (KGZ)
Davaanasan ENKH AMAR (MGL)
Natalia Iwona STRZALKA (POL)
Fanni NAGY NAD (SRB)
Nesrin BAS (TUR)
Alina RUDNYTSKA LEVYTSKA (UKR)
Amit ELOR (USA)
Jyoti BERWAL (UWW)