【2023年世界選手権・展望(16)】世界V2のアイスルー・チニベコワ(キルギス)に元木咲良(育英大)が挑む…女子62kg級

 

(2023年9月16~24日、セルビア・ベオグラード)


 昨年の59kg級3位から階級を上げて代表権を勝ち取った元木咲良(育英大)にとって、先輩2人(川井友香子、尾﨑野乃香)のライバルだった2019・21年世界チャンピオンで第2シードのアイスルー・チニベコワ(キルギス)が、やはり乗り越えなければならない壁となる。チニベコワは昨年のアジア選手権とこの大会で尾﨑野乃香に敗れているが、今年4月のアジア選手権で尾﨑にリベンジして優勝。エジプトとハンガリーでの国際大会で優勝し、勢いを取り戻している。新たな日本人ライバルとの一戦はどうなるか。

▲キルギスの悲願(オリンピック・チャンピオン)を目指すアイスルー・チニベコワ=2021年世界選手権(UWWサイト)

 第1シードは、2021年と昨年2位のカイラ・ミラクル(米国)。パンアメリカン選手権3位、その後のハンガリーでの国際大会で11位など、やや調子を落としているようにも見えるか、2年連続世界2位の実力を発揮するか。第3シードは昨年3位のルオ・シアオフアン(中国)。今年のアジア選手権は5位と低迷したが、2月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)ではチニベコワを破っており、上位進出の実力は秘めている。

 他に、東京オリンピック3位で今年の欧州選手権優勝のイリナ・コリアデンコ(ウクライナ)、昨年5位で今年のパンアメリカン選手権を制したアナ・ゴディネス(カナダ)、59kg級でU23世界選手権優勝の経験があるグレース・ブレン(ノルウェー)、2021年世界選手権59kg級優勝のビリャナ・デュドバ(ブルガリア)と、優勝争いに顔を出す可能性のある選手が目白押し。

 さらに、ドーピング違反で4年間の出場停止が明けたオーコン・プレブドルジ(モンゴル)の存在も要注意。アジア選手権ではチニベコワに敗れて2位に終わっているが、復帰してから1年近くが経った。2016年1月の「ヤリギン国際大会」で伊調馨を破り、2017年世界選手権で優勝したときの実力を取り戻しているか。


シード選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

No.1 – Kayla MIRACLE(米国)=2022年世界選手権2位
No.2 – Aisuluu TYNYBEKOVA(キルギス)=2023年アジア選手権優勝
No.3 – Xiaojuan LUO(中国)=2022年世界選手権3位
No.4 – Ana GODINEZ(カナダ)
No.5 – Bilyana DUDOVA(ブルガリア)=2023年欧州選手権3位
No.6 – Lais NUNES(ブラジル)
No.7 – Luisa NIEMESCH(ドイツ)=2023年欧州選手権3位
No.8 – Sara LINDBORG(スウェーデン)


エントリー選手(8月現在=最終エントリーで変わる場合があります)

元木咲良(日本)
Veranika IVANOVA (AIN)
Angelina LELO (ANG)
Elis MANOLOVA (AZE)
Jessica DERRELL (BAR)
Lais NUNES (BRA)
Bilyana DUDOVA (BUL)
Ana GODINEZ (CAN)
Xiaojuan LUO (CHN)
Angelina RODRIGUES (CPV)
Leonela AYOVI (ECU)
Lydia PEREZ (ESP)
Viktoria VESSO (EST)
Luisa NIEMESCH (GER)
Elena ESPOSITO (ITA)
Irina KUZNETSOVA (KAZ)
Eunice MBURU (KEN)
Aisuluu TYNYBEKOVA (KGZ)
Subeen JO (KOR)
Anastasija GRIGORJEVA (LAT)
Mariana CHERDIVARA (MDA)
Alexis GOMEZ (MEX)
Orkhon PUREVDORJ (MGL)
Esther KOLAWOLE (NGR)
Grace BULLEN (NOR)
Aleksandra WOLCZYNSKA (POL)
Kriszta INCZE (ROU)
Sara LINDBORG (SWE)
Selvi ILYASOGLU (TUR)
Iryna KOLIADENKO (UKR)
Kayla MIRACLE (USA)
MANISHA (UWW)
Ariukhan JUMABAEVA (UZB)
Nathaly GRIMAN (VEN)
Thi My Hanh NGUYEN (VIE)