※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
アクシデントのため、監督不在で帰国した女子チーム
金メダルを獲得したのは、48kg級で9月の世界ジュニア選手権(タイ)優勝の入江ゆき(九州共立大)と59kg級の2009年アジア女王、伊藤友莉香(環太平洋大)の2選手。銅メダルは、51kg級の平野遥香(日大)と67kg級の橋本千紘(日大)が獲得した。
2年前の大会の2位から順位を上げた伊藤は「最近はあまり結果を出していなかったですし、今年初めてタイトルが取れてうれしかったです。大学4年になり、学生の試合は一区切りです。まだ全日本の大会では優勝できていないので、12月の全日本選手権で初優勝できるようにしたい。大学卒業後も本格的に競技を続けます。そろそろ59kg級から(五輪階級の)63kg級に挑戦するつもりです」と話し、2016年リオデジャネイロネイロ五輪へ向けて気持ちが盛り上がった様子。
なお、入江はヘルシンキ乗り換え時のトラブルでフライトを変更したため、嘉戸洋監督(環太平洋大監督)とともに7日に帰国する予定。
(取材・撮影=増渕由気子)
■女子59kg級優勝・伊藤友莉香「8月のインカレ(全日本学生選手権)は、決勝で逆転負けして悔しかった。あの時は、試合中に点を取られて頭が真っ白になり、自分の攻撃ができませんでした。
今回はその反省点を踏まえて攻めて勝つことができました。対戦相手に強い選手がいましたが(ロシア=昨年の欧州ジュニア選手権優勝)、あえて調べず、試合後に知りました。強い選手にも勝てたので自信になりました。試合前に、弟(伊藤和真=京都・網野高)が国体で優勝して高校3冠王になったニュースを見て私も負けられないと思いました」
左から平野、伊藤、橋本のメダリスト
過去数度失敗している減量も、1週間で食べずに落とす方法から、コーチらの指導を受けて、長期間かけて食べながら落としていきました。インカレ同様に体調不良になったらどうしようと不安はありましたが、今回は試合の日の体力の回復も順調にいきました。おそらく、今大会が海外試合の集大成なので、今回メダルを獲れてよかった。負けた試合も含めて攻めることができ、精いっぱいやりました。コーチやメンバーに恵まれて遠征はとても楽しかったです」
■67kg級3位・橋本千紘(日大)「フィンランドはとても寒かったですが、気候の変化への対応はよくできました。海外遠征は6月のアジア・ジュニア選手権(カザフスタン)以来でしたが、ヨーロッパのレスリングはアジアと違いました。1回戦にロシア戦は相手にあわせてしまって、自分から攻めることができませんでした。第2ピリオドも攻撃権を得たクリンチを切られて落としてしまいました。
それでも3位決定戦は気持ちを切り替えて勝つことができたので、それは収穫です。次の目標は12月の全日本選手権。井上佳子選手や土性沙羅選手がいますけど、優勝できるようにがんばりたいです」