※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
8月14日(月)からヨルダン・アンマンで行われるU20世界選手権で、紛争中のロシアとウクライナ、ロシアを支援するベラルーシの選手がいずれもエントリー(ロシアとベラルーシはAIN=中立)。組み合わせ次第では、対戦がありうる状況となった。
国際オリンピック委員会(IOC)は今年3月、除外が続いていたロシアとベラルーシ両国の選手を、個人資格の「中立」などを条件に国際大会復帰を各国際競技連盟(IF)に通達。世界レスリング連盟(UWW)などいくつかのIFが受けいれた。
ウクライナは反発し、両国選手が参加する場合は自国選手を欠場させる方針を表明。両国選手が参加した5月の世界柔道選手権(カタール)や、今月初めのレスリングのU17世界選手権(トルコ)には参加しなかった。しかし7月下旬に方針を転換。AINとして国際大会に出場する両国勢との対戦を制限しないこととした。
AP通信によると、IOCは各競技の統括団体にウクライナとAINの選手が関わる状況では「必要な配慮」を求めた。7月下旬にイタリアで行われたフェンシングの世界選手権でウクライナとAIN(ロシア)選手の対戦があり、ウクライナの選手が試合後、規程で定められている握手を拒否して失格になったことを受けての処置。
IOCの通達を受け、国際フェンシング連盟(FIE)は失格となった選手の処罰を見合わせ、その後に行われた団体戦へ出場を容認。当分の間、試合後の握手を強要しないことを決めた。
この流れから、9月にセルビアで行われるパリ・オリンピックの予選を兼ねたシニアの世界選手権にも、3国の選手が参加する可能性が出てきた。