※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2023年インターハイ・レスリング競技は7月27日(木)~30日(日)に北海道・札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナで行われる。
大会の前半に行われる学校対抗戦の見どころを探った。《大会要項》
7月27日(木) 9:30~ 開会式
10:45~ 1~3回戦
28日(金)10:00~ 準々決勝~決勝
3月の全国高校選抜大会の覇者、日体大柏(千葉)は出場辞退。同大会決勝で、3-4で敗れた自由ヶ丘学園(東京)が初の栄冠を目指す。
ただ、チームを支えた55kg級の金澤孝羽(昨年の男子グレコローマン55kg級全日本選手権)が負傷で出場できない。明治杯全日本選抜選手権61kg級優勝の坂本輪、個人戦で3連覇を目指す71kg級の山口叶太を中心に乗り切れるか。51kg級にU17アジア選手権・男子グレコローマン3位の坂本広、125kg級にU17アジア選手権・男子フリースタイル92kg級3位のリボウィッツ和青という1年生の起用が予想され、金澤の穴を埋めることができれば、大きな力となる。
全国高校選抜大会3位で、インターハイは2年ぶりの王者を目指す鳥栖工(佐賀)は、最重量級に全国高校選抜大会2連覇、JOC杯U17-92kg級優勝の甫木元起が控えるので、一進一退で進んでも安心感はある。80kg級で起用されていた全国高校選抜大会71kg級3位の三浦修也をU17世界選手権(トルコ)で欠くことになるが、選手層が厚いので、それを乗り越えて栄冠を手にする可能性は十分。
両校は、順当に勝ち上がれば準決勝で激突する組み合わせ。日体大柏が不出場の反対ブロックでは、全国高校選抜大会3位の埼玉栄(埼玉)が決勝まで勝ち残る第一候補か。同大会は4人のエントリーで準決勝まで勝ち上がった。軽量級に加入した1年生がチーム力をアップさせるか。
東海大会を制した飛龍(静岡)が、JOCジュニアオリンピックU20-79kg級で大学生を連破して優勝した淺野稜悟を中心に実力を発揮できるか。51kg級には、昨年の中学二冠王者の本多正虎(当時神奈川・NEXUS TEAM YOKOSUKA)が加入。3月より間違いなく戦力はアップしている。順当に勝ち進めば準々決勝で鳥栖工と対戦する。
旋風を巻き起こす可能性があるのが、強豪新人が加入した猪名川(兵庫)。全国高校選抜大会51kg級を制した赤木烈王が6月のU17アジア選手権優勝と実力をつけており、学校対抗戦では力強く先陣を切るはず。キッズからの一貫強化で育てた選手として、60kg級に北村春斗、71kg級に花盛奏太の中学時代に全国王者の経験のある選手が加わり、チーム力はアップしていることが予想される。
2回戦で同じ近畿の丹後緑風(京都=近畿大会2位)と激突する。ここが大きなヤマとなろう。人口約3万人の町で実践してきた一貫強化の県立高校。モデルケースとなる活躍を見せられるか(関連記事)。