※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
6月10~13日にキルギス・ビシュケクで行われるU17アジア選手権に出場する男子フリースタイル・チームが6月8日、羽田空港から出発した。同スタイルは12・13日に行われる。
平井満生監督(山梨・甲府城西高教)は昨年、同所で同時期に行われたこの大会の男子グレコローマンに続いての日本代表チームの指揮。現地に着いてからの環境や移動は経験済み。フライトも同じなので、イスタンブールでの乗り換え時間が10時間以上あることも昨年と同じ。いろんなことを「選手にアドバイスできますね」と話す。
昨年は優勝1選手を含めて5階級でメダルを取る好成績。その一人が、51kg級代表の赤木烈王(兵庫・猪名川高=昨年は48kg級で銀)。主将に任命し、チームを盛り立ててもらって昨年以上の成績が目標。ただ、3大会連続で優勝者が出ていることを聞かされると、「そうですか…」と苦笑い。男女を問わずインドの躍進がすごいので、「対策をしっかりしたい」と話した。
今回の代表は、すべてJOCジュニアオリンピック2位、または3位の選手。しかし、「日本代表であることに変わりはない。ミーティングでも、日本を代表して闘う。メダルを取って帰ろう、と話しました」と力をこめた。
大館信也コーチ(青森・八戸工大一高教)は「3大会連続金メダル獲得に続くだけではなく、一つでも多くの金メダルを取れるよう頑張らせたい」と、目標は金メダル1個ではないことを強調。昨日とこの日の練習を見て、全選手が明るく汗を流していたことを感じ、「この明るさを武器にして臨みます」と話した。自身は、3年以上前の日韓交流戦以来の海外遠征。世界のレスリングの現状をしっかりと把握し、今後の強化に役立てる腹積もりだ。
主将としてチームを牽引する赤木は、3月の全国高校選抜大会で勝ったものの、JOC杯ジュニアオリンピックは決勝で不覚を喫し、基本的に2位の選手が出場するアジア選手権への出場となった。しかし、これは「今年こそアジア王者へ」という神様の導きか? 「気負わず、自分の力を出すだけです。去年は2位でしたが、去年よりはパワーアップしています。試合が楽しみで、プレッシャーはありません」と言う。
チームを引っ張る立場になったが、前日の顔合わせと練習で「みんなリラックスしていて、団結もしています。いいチームなので、難しいことは何もありません」と、こちらのプレッシャーもなし。
昨年、中学の2大会(全国中学生選手権、全国中学選抜大会)を制して初の国際大会に臨む92kg級のリボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園高)は「これまで経験していないことが出てくると思うけど、自分の力を出し切り、海外選手にどれだけ通じるか試してきたい」と言う。「期待と不安の比率は?」との問いに、「やってやる、という気持ちだけです」と語気を強めた。
高校入学後は、4月のJOCジュニアオリンピックに続いて先週の関東高校大会も優勝を逃し、簡単に勝たせてもらえない現実に直面した。「技術の差があります。中学の感覚でやっていては通用しないことを実感しています」と言う。同様のことが国際大会にも言えるだろう。国内だけでは分からないことも経験するはずで、「多くのことを学び、インターハイでの優勝につなげたい」と話した。
日本選手団と大会日程は下記の通り。男子グレコローマンと女子チームはすでに出発している。
6月10日(土)男子グレコローマン45・48・51・55・60・92・110kg級
11日(日)男子グレコローマン65・71・80kg級/女子40・46・53・61・69kg級
12日(月)女子43・49・57・65・73kg級/男子フリースタイル65・71・80kg級
13日(火)男子フリースタイル45・48・51・55・60・92・110kg級
【監督】吉岡治(京都・丹後緑風高教)=出発済み
【男子フリースタイル・コーチ】平井満生(山梨・甲府城西高教)、大館信也(青森・八戸工大一高教)
【トレーナー】 川﨑淳(あみはりきゅう整骨院グループ)=出発済み
【男子フリースタイル】
▼45kg級 柴田寛大(滋賀・栗東クラブ)
▼48kg級 深澤遼弥(山梨・甲府城西高)
▼51kg級 赤木烈王(兵庫・猪名川高)
▼55kg級 佐藤琢磨(静岡・飛龍高)
▼60kg級 久田虎徹(青森・八戸工大一高)
▼65kg級 辻田陽咲(大阪・大体大浪商高)
▼71kg級 福井大翔(埼玉・埼玉栄高)
▼80kg級 水崎竣介(京都・丹後緑風高)
▼92kg級 リボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園高)
▼110kg級 松本晃大(和歌山・和歌山北高)