2023.05.31

【6.15~18明治杯全日本選抜選手権・展望(5)】アジア選手権3位入賞の奈良勇太(警視庁)がライバルを振り切るか…男子グレコローマン97kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 来年のパリ・オリンピックの第1次選考を兼ねる今年9月の世界選手権(16~24日、セルビア・ベオグラード)の日本代表選考となる2023年明治杯全日本選抜選手権は6月15日(木)~18日(日)に東京・東京体育館で行われる。

 オリンピック階級では、昨年12月の天皇杯全日本選手権1位の選手が優勝すれば、世界選手権の代表に決定。別の選手が優勝すれば、2人のチャンピオンによってプレーオフが行われ、勝った選手が代表へ。世界選手権で3位以内に入れば、2024年パリ・オリンピックの代表に内定する(関連記事=非オリンピック階級の代表選考も同記事参照)。各階級の見どころをさぐった。

《大会要項》 /  《大会日程=各日の実施階級》 / 《観戦チケット販売》


男子グレコローマン97kg級・展望(2023年6月16・17日実施)

※エントリーに基づいた予想であり、直前の負傷等による戦力ダウンは勘案しておりません。

 全日本王者に返り咲いた奈良勇太(警視庁)が、今年4月のアジア選手権で銅メダル獲得の好成績を挙げた。2年ぶりの世界選手権に出場し、パリ・オリンピックの出場枠獲得へ挑めるか。

 全日本選手権の決勝で奈良に敗れた天野雅之(中央大学職員)は、今春はビーチレスリングのワールドシリーズや、ベルトレスリングのアジア選手権に挑んだ。それらの経験が生きるか。34歳の年齢を感じさせない強さをキープしている。

 昨年のこの大会で優勝し、全日本選手権3位の仲里優力(佐賀県スポーツ協会)は、その約3ヶ月前の国民体育大会で天野を破って優勝しており、この大会でも優勝を狙える力は十分。昨年、プレーオフで敗れて世界選手権出場を逃した悔しさを晴らせるか。

 全日本選手権3位の中原陸(大東大)、今年のJOCジュニアオリンピックU20優勝の北脇香(早大)、全日本学生選手権2位の加藤大翔(国士舘大)の学生選手が、どこまで上位へ食い込めるか。

▲アジア選手権で3位に躍進した奈良勇太(警視庁)。勢いを持ち込めるか

《2022年天皇杯全日本選抜選手権・成績》97kg級全成績

 ▼決勝
奈良勇太(警視庁)○[3-0]●天野雅之(中大職)

 ▼3位決定戦
仲里優力(佐賀県スポーツ協会)○[Tフォール、4:09=10-0]●吉村海里(国士舘大)
中原陸(大東大)○[Tフォール、4:07=8-0]●北脇香(早大)

《歴代優勝選手》男子フリースタイル男子グレコローマン女 子


エントリー選手(8選手)

▲奈良勇太

▲天野雅之

▲仲里優力


※昨年の天皇杯全日本選手権のこの階級の1~3位選手以外はアイウエオ順

《2022年天皇杯全日本選手権優勝》
奈良勇太(なら・ゆうた=警視庁)
1996年3月7日生まれ、27歳。東京都出身。埼玉・花咲徳栄高~日体大卒。185cm。2023年アジア選手権3位

《2022年天皇杯全日本選手権2位》
天野雅之(あまの・まさゆき=中央大学職員)
1988年9月14日生まれ、34歳。福岡県出身。福岡・東福岡高~中大卒。183cm。2022年国民体育大会2位

《2022年天皇杯全日本選手権3位》
仲里優力(なかざと・ゆうり=佐賀県スポーツ協会)
2000年2月26日生まれ、23歳。沖縄県出身。沖縄・北部農林高~日体大卒。179cm。2022年明治杯全日本選抜選手権優勝

《2022年天皇杯全日本選手権3位》
中原陸(なかはら・りく=大東大)
2002年8月1日生まれ、20歳。栃木県出身。鹿児島・鹿屋中央高卒。179cm。2023年U23世界選手権・日本代表選考会2位

奥田歩希(おくだ・いぶき=九州共立大)
2002年5月22日生まれ、21歳。滋賀県出身。滋賀・日野高卒。175cm。2022年西日本学生選手権優勝

加藤大翔(かとう・だいしょう=国士舘大)
2003年1月27日生まれ、20歳。茨城県出身。茨城・鹿島学園高卒。171cm。2022年全日本学生選手権2位

北脇香(きたわき・きょう=早大)
2003年6月25日生まれ、19歳。神奈川県出身。山梨・韮崎工高卒。172cm。2023年JOCジュニアオリンピックU20優勝

米田侑太(よねた・ゆうだい=国士舘大)
2002年5月29日生まれ、21歳。北海道出身。北海道・札幌東豊高卒。168cm。2022年東日本学生春季新人戦優勝