※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
昨年に続いて表彰台に上がった井上
反省すべきことは、相手の動きに合わせてしまったり、逃げ腰になってしまったりで、自分のレスリングができなかったこと。外国選手の投げ技などを警戒して気持ちが後ろ向きになったようで、「自分のレスリングができなかった。不利な体勢を自分からつくってしまった」と、積極的になれなかった自分を悔やんだ。
2年連続でメダルを手にできたことは今後につながる結果。アンクルホールドは外国選手を苦しめることができ、実力の違いを見せつけられた試合もあった。「少しずつですが、年々成長していることも感じます」と、世界一に到達するための感触はあった。
■チャンスを生かす技のマスターを
世界チャンピオンに輝いたアデライン・グレイ(米国)とできたこともいい経験。グレイがカナダとの決勝で豪快なジャーマンスープレックスを見せるなど、大技を決める実力を見せたが、「勝負どころで思い切って仕掛け、チャンスを生かすことを感じました。多少強引であっても、思い切って仕掛けることの必要性を学びました」と言う。
結局、「足りないのは気持ちですね。気持ちが足りないから、技が決まらないのだと思います」と分析。気持ちを今後の課題として挙げた。
メダルを取れたことで最低限度のノルマは達成。「会社や周囲の人など、応援してくれた人にいい報告ができます」とも言う。また、初日の日本勢のメダル「0」を救った価値ある銅メダルでもある。最低の責任は果たせわけで、「2日目、3日目は日本選手を全力でサポートします」と、他選手の健闘を願った。