※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
勝負のローリングで足を取られた島田(赤)
終了のブザーとほぼ同時にレフェリーがマットをたたき、フォールを主張。チェアマンは「時間が先では?」というアクション。日本陣営からのチャレンジでビデオをチェックしたところ、超スローで再生された画面には、1分57秒に島田の両肩がマットについたシーンが映し出され、この段階でビデオはストップ。フォールが支持されてしまった。
現在のルールでは“瞬間フォール”はなく、1秒間押さえこむ必要があるはず。普通のスピードでのビデオ再生なら、フォールと解釈されたかどうか分からないシーン。スローによる再生で判定が下されたのは納得がいかない判定だろう(ただし、微妙な判定の場合はスローで再生することになっているという)。
2度もテークダウンをとるなど、島田のスタンドでの攻撃力がさえていただけに、惜しまれる敗戦だった。2-3から逆転狙ってローリングを仕掛けた結果であり、それがあだとなってしまった形。
■何度も決まったアンクルピック
島田は「無理しなくてもよかったかもしれません。(第1ピリオドを落としても)2ピリオドへもつれてもよかったかも」と振り返るが、ゴービハインドの体勢となり、ラスト10秒くらいあれば、1点差を逆転すべく技を仕掛けるのは当然のこと。足を取られるということは技術的に何らかの問題があったからだろうが、逆転を狙って仕掛けたことは責められることではあるまい。
結果としてメダルを手にできず、「内容も結果も悔いが残る結果となりました」と言う。しかし、五輪出場を捨ててまで59kg級にこだわり、目標としたマットに立てて闘えたことには「満足しています」と言う。
全体を通じて、相手の足首を手で刈るアンクルピックが何度も決まるなど、練習の成果は出せた。「3位決定戦では、気持ちばかりがいっていたように思います。負けた悔しさをばねに、いろんなことに挑戦し、経験を生かしていきたい」と振り返り、再起を誓った。