※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
タックルに入ってもポイントにつなげられないことが多かった川井
悪いくせとは、高校に進んだ時に栄和人監督から指摘された欠点で、「最近は出なかったのですが…。自分から突っ込んでいって、負けてしまったようなものです。昔から焦ると出ました。今回、特別にあがったりはしなかったのですが、世界選手権ということで、どこかに緊張があったのでしょう」と言う。勝った1回戦も、相手が弱くて勝てただけであり、「悪いところばかりが出ていました」と反省した。
■51kg級で勝ってから55kg級へ
この大会が終わったあと、五輪階級の55kg級へ上げる予定だったという。しかし栄監督から「オリンピックのオの字も見えていない」と厳しく言われたそうで、「51kg級で勝つまでやります」と言う。
しかし、世界選手権を経験できたことは収穫だったもよう。昨年の世界チャンピオンを含めて世界のトップ選手の試合を見て、「思ったほどではないと思います」と、決して手が届かない存在でないことを実感。「思うだけではない、勝てるようにならなければならないのですが」と前置きしたうえで、「足りない点をおぎなって頑張りたい」と言う。
今年初めには2度のゴールデンGP予選(ヤリギン国際大会=ロシア、クリッパン女子国際大会=スウェーデン)で優勝。先週行われた高額賞金大会の決勝大会(アゼルバイジャン)への出場権を手にしていたが、世界選手権を優先。賞金より世界チャンピオンを目指した。
報道陣から「将来の金(メダル)につながるね」と声をかけられ、にっこり。「これで終わりではないので、頑張ります」と、17歳での世界選手権出場を今後に生かすことを誓った。