2012.09.28

井上佳子(クリナップ)が銅メダル…世界女子選手権第1日

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ストラスコナカウンティー(カナダ)】世界女子選手権は9月27日、カナダ・ストラスコナカウンティーで開幕。3階級が行われ、67kg級の井上佳子(クリナップ)が昨年に続いての銅メダルを獲得した。(右写真)

 井上は初戦で昨年8位のベラルーシ選手を破った後、2回戦で同3位のアデライン・グレイ(米国)に0-2で黒星。しかし、敗者復活戦で欧州選手権3位のザナン・マノロバ(ブルガリア)を、3位決定戦で2011年アジア選手権3位のナブジョト・カウアー(インド)を連破し、3位に入賞した。

  59kg級の島田佳代子(自衛隊)は初戦を勝ったあと、2回戦で2010年アジア大会55kg級2位の張蘭(中国)に敗れた。敗者復活戦を勝ち上がったものの、3位決定戦で55kg級でロンドン五輪に出場したオルガ・ブトケビッチ(英国)に敗れ、メダルに手が届かなかった。

 51kg級の川井梨紗子(愛知・至学館高)は初戦で昨年の欧州チャンピオンのユリヤ・ブラヒンヤ(ウクライナ)を破ったものの、2回戦で2010年アジア選手権5位のクマリ・バビタ(インド)に敗れた。バビタが決勝に進めなかったため、敗者復活戦に回ることができず、7位に終わった。

 各選手の成績は下記の通り。


 【51kg級】川井梨沙子(愛知・至学館高)     7位=14選手出場

1回戦 ○[2-0(2-0,2-0)]Yuliya Blahinya(ウクライナ)

 《試合経過》川井か開始早々にタックルを決めて1点。追加ポイントを狙ったタックルは相手に脚をつかまれてもつれ、お互いに脚をつかんだまま進展がなくブレーク。終了間際にバックを取って2-0とした。第2ピリオドも川井が攻め、19秒に場外に出して1点。中盤にも左脚へのタックルで1点。後半、低い片足タックルを決めて3-0とした。

------------------------------------

2回戦 ●[フォール、3P1:55(TF0-7=1:07,1-0,F4-0))]Kumari Babita(インド)

 《試合経過》第1ピリオド、川井が両足タックルで1点を取り、アンクルホールド3回転で7-0のテクニカルフォール勝ち。第2ピリオド、中盤にタックルにいった川井だが、相手にこらえられ、大勢を悪くしてしまってバックを取られて1失点。0-1で落とした。

 第3ピリオドもタックルで仕掛けた川井だが、詰めが甘くバックを取られて1失点。同点を狙って仕掛けたタックルは、場外際で投げを打たれて逆に1失点。終了間際、川井はいちかばちかの投げ技を狙ったが失敗し、押さえ込まれた。


  【59kg級】島田佳代子(自衛隊)     5位=13選手出場

1回戦 ○[2-1(0-1,2-0,TF6-01:06)]Iryna Khariv(ウクライナ)

 《試合経過》第1ピリオド、一進一退の攻防のあと、島田が場外に押し出されて1分45秒に痛恨の1失点。第2ピリオドは島田が20秒にアンクルピックから場外に出して1点を先制。45秒にもがぶりからバックへ回って1点を取って2-0。

 第3ピリオドは14秒、島田が相手を落としてバックへ回り1点を先制。45秒にはアンクルピックで相手を倒して3点。またさきに移行し、2点を取って6-0とした。

------------------------------------

2回戦 ●[0-2(0-2,4-6)]Lan Zhang(張蘭=中国)

 《試合経過》第1ピリオドの中盤、島田は左脚を取られてテークダウンを許して1失点。1分25秒にも同じように失点し0-2。第2ピリオド、正面タックルを受けた島田はフォールの体勢へ追い込まれる。ブリッジでこらえたものの0-4へ。タックルをかわして1点を返したが、そのあとのタックルを崩されて2点を失う。最後にがぶり返しで2+1点を返したが4-6で敗れた。

------------------------------------

敗復戦 ○[2-0(3-0、TF6-0=0:37)]Lyudmila Mironova(カザフスタン)

 《試合経過》第1ピリオド、0-0のあと1分30秒に島田が正面タックルで1点を取り、相手の脚を自分の脚で固めて返して3-0。第2ピリオド、島田が開始早々にアンクルピックで1点を取り、アンクルホールドの連続で6-0のテクニカルフォール勝ち。

------------------------------------

3決戦 ●[フォール、1P1:57(F2-5)]Olga Butkeviych(英国)

 《試合経過》第1ピリオド、島田は35秒にアンクルピックで1点を先制。グラウンド技を狙ったが足を取られれ抑え込まれ2+1点を失う。1分40秒にバックを取って2-3と追い上げ、逆転を狙ってローリングを仕掛けたが、またも足を取られ押さえこまれた。フォールを主張するレフェリーに対し、日本陣営はチャレンジ(ビデオチェック要求)。ビデオ判定の結果、時間内に両肩がついていてフォール負けとなった。


  【67kg級】井上佳子(クリナップ)     3位=16選手出場

1回戦 ○[2-0(1-0,TF7-0)=1:45]Iryna Shautsova(ベラルーシ)

 《試合経過》第1ピリオド、1点をめぐる攻防は中盤すぎに井上が1点を獲得。第2ピリオド、バックを取った井上はアンクルホールド5回転で6-0として快勝。

------------------------------------

2回戦 ●[0-2(1-1L,0-3))]Adeline Maria Gra(米国)

 《試合経過》第1ピリオド48秒、井上はタックルから相手を押し出して1点を先制。しかし、1分39秒にタックルを決められて外へ出され1-1。ラストポイントによって、このピリオドを落とした。第2ピリオド、0-0のあとラスト30秒に井上が痛恨の1失点。アンクルホールドで回されて0-3とされた。

------------------------------------

敗復戦 ○[2-0(1-0、TF6-0=0:57)]Dzhanan filipova Manolova(ブルガリア)

 《試合経過》第1ピリオド前半、井上が相手の右脚を取って場外に出し、1-0のまま終了。第2ピリオド、30秒にバックを取った井上はアンクルホールドの連続で6-0とした。

------------------------------------

3決戦 ○[2-0(1-0,3-0)]Navjot Kaur(インド)

 《試合経過》第1ピリオド、50秒に井上がバックを取って1点、相手のタックルがもつれ、お互いにポイントを取り合いとなったが、時間切れ。1-0で井上がこのピリオドを先制。第2ピリオド、相手の攻撃を間一髪でこらえていた井上が、うまく上になって2点をゲット。相手のチャレンジ(ビデオチェック要求)は認められず、3-0として試合終了。