※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=保高幸子)
全国高校女子選手権の60kg級は東京・安部学院のキャプテン、坂野結衣が制した。(右写真)
昨年までカデットで国内敵なしだった坂野。出る大会は全て優勝していたが、ジュニアに上がってからは苦労が続いていた。「得意技も知られてしまい、今年のJOC杯もジュニアクーンズカップも優勝できませんでした」。
キャプテンとして、後輩達にちゃんとした姿を見せられていなかった。同期の宮原優や阿部梨乃に支えられてなんとかキャプテン業をやっていたが、「申し訳ない」という気持ちがあった。「だから絶対に勝ちたかったんです。そういう思いがあって、今日は緊張しました」とはにかむ。
今大会にかける思いは人一倍強かった。ここまでつらい練習をやってきたという思いが自信になった。この優勝で、「来週の世界カデット選手権(アゼルバイジャン)に出場する後輩達にいい流れでバトンをつなげた」と胸をなで下ろす。
決勝で闘う坂野(青)
自身は大学に進学し、シニアでの活躍も目指す。同じ年代の選手で、早くも全日本選手権で優勝している選手がいるのを見て、「私も全日本で表彰台に昇りたい」と目標を話す。目標におく2020年東京五輪(招致中)へ向けた挑戦は始まったばかり。まずは今年の全日本女子オープン優勝(10月)と全日本選手権(12月)の表彰台が目標。
キャプテンの経験を経て成長した姿を見せたい。