※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【ロンドン(英国)=増渕由気子】ロンドン五輪レスリング競技第6日は8月10日、ロンドン市内のエクセルで男子フリースタイルが開幕。55kg級と74kg級の2階級が行われ、55kg級の湯元進一(自衛隊)が銅メダルを獲得した。日本はお家芸とされるフリースタイル最軽量級で、2004年アテネ大会(田南部力)、2008年北京大会(松永共広)、今大会と3大会連続でメダルを獲得した。
湯元は、初戦のキム・ジンチョル(韓国)を2-1で下し、3回戦はミヒラン・ジャブリャン(アルメニア)をストレートで下して準決勝に進出した。
準決勝の相手は2010・11年世界ジュニア選手権優勝のウラジミール・ヒンチェガシビリ(グルジア)。粘ったものの、1-2で惜敗。3位決定戦に回り、2006年世界王者のラドスラフ・ベリコフ(ブルガリア)をストレートで破って銅メダルを獲得した。
74kg級の高谷惣亮(ALSOK)は、初戦で昨年の世界選手権3位のアシュラフ・アリエフ(アゼルバイジャン)に0-2で黒星。アリエフが次の試合で敗れたため、敗者復活戦もなく大会終了となった。
各試合結果は下記の通り。
【55kg級】湯元進一(自衛隊) 3位=19選手出場
3位決定戦 ○[2-0(1C-1,1L-1)]Radoslav Velikov(ブルガリア)
《試合経過》第1ピリオドの中盤、両足タックルで場外に押し出した際、相手が背を向けたことで、審判はコーションを取る。中央に戻って再開すると同時に、ベリコフが片足タックルで1点を返すが、コーションの差で湯元が勝つ。第2ピリオドの中盤、ベリコフが持ち上げタックルから1点を奪うが、ラスト15秒、湯元は得意の両足タックルで1点を返し、ラストポイント差で勝利した。
--------------------------------
準決勝 ●[1-2(0-1,4-0,2-0)]Vladimer Khinchegashvili(グルジア)
《試合経過》立ち上がり、果敢にタックルに行くのは湯元。相手の足を何度も触るが、得点に至らず。次第に湯元のタイミングを見切った相手は、ラスト20秒、カウンター攻撃で湯元のバックに回って1点を奪った。第2ピリオドは、終盤にタックルでバックを奪った湯元が、アンクルホールド3連発で4-0とした。
第3ピリオドは、開始15秒に相手がローシングルタックルから持ち上げて、テークダウンを奪う。その後、態勢が何度も入れ替わったが、どちらも得点できず、そのまま試合終了。日本陣営はチャレンジで湯元の得点があったと主張したが、失敗に終わった。
--------------------------------
3回戦 ○[2-0(4-1,TF6-0=1:10)]Mihran Jaburyan(アルメニア)
《試合経過》第1ピリオド1分11秒にタックルで突進して場外ポイントをゲット。第2ピリオド、相手に足を触られるが、うまく抑え込んで2点。相手のチャレンジが失敗して1点追加。ラスト2秒で場外へ押し出されるが4-1で折り返し。第2ピリオドは、序盤にテークダウンを奪うと、そこからアンクルホールド地獄が決まってテクニカルフォールを収めた。
--------------------------------
2回戦 ○[2-1(0-1=2:06,4-2,1-0=2:04)]Kim Jin-Cheol(韓国)
《試合経過》第1ピリオドはボールピックアップとなり優先権は赤の韓国。一瞬、湯元のタックル返しが成功したかに見えたが韓国のポイントに。第2ピリオドは、開始30秒で湯元が片足タックルに入ったところを返されて2失点。万事休すとなったが、1分すぎに片足タッルでテークダウンを奪うとそこからアンクルホールド3連発。4-2とした。第3ピリオドは互いに攻め手を欠いて再びボールピックアップ。優先権の湯元が落ち着いてテークダウンを奪った。
--------------------------------
1回戦 BYE
【74kg級】高谷惣亮(ALSOK) 16位=19選手出場
1回戦 ●[0-2(0-1,0-1)]Ashraf Aliyev(アゼルバイジャン)
《試合経過》開始30秒に高谷はタックルを受けて1失点。高谷も自慢の高速タックルで反撃するがすべてブロックされてしまう。第2ピリオド、技のアクションは互角だが、1分25秒に相手の鮮やかな胴タックルを受けて1失点。ストレートで敗れた。