※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=樋口郁夫、撮影=保高幸子)
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女子で6月の全国中学生選手権に続いて優勝したのが5選手。その中で、48kg級で勝った岡本佳子(福岡・企教中=北九州クラブ/右写真)は2年生ながら、3年生2人を破り、決勝は1年生だがJOCアカデミー所属のエリート選手を破っての春秋制覇だった。「目標が達成できて、うれしいです」と喜びを表した。
初戦、準決勝とも1分以内のフォールでの勝利。決勝は「アカデミーは強い選手ばかりで、みんなレスリングがうまい」と名前負けしそうになりながらも、「練習環境のいい選手には負けたくなかった。絶対に優勝するという気持ちで臨んだ」と言う。その気持ちが当たり、第1ピリオドは0-0後のクリンチを取り、第2ピリオドは1-0と競り勝った。
男子では、九州から強豪が数多く生まれているが、女子はまだそこまでいっておらず、全国中学生選手権の歴代優勝選手で九州の選手の優勝は少ない。JOCアカデミーの選手を破り、九州の意地を見せた優勝でもあろう。
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準決勝では、片足タックルに入られてピンチがあったそうで、「まだ相手に合わせてレスリングをしてしまいます。どんな時でも自分のレスリングができるようにしたい」といった反省点もある。「東京には、強い選手がまだたくさんいると思います。いろんな選手と数多くの試合をやって、もっと力をつけたい」と希望を話した。
次の目標は来春のジュニアクイーンズカップでの優勝。もちろん、全国中学生選手権や来年のこの大会の優勝も狙う。「吉田沙保里選手が目標。世界で活躍できる選手になり、オリンピックで優勝したい」と希望を話した。