※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
イラン・レスリング協会ホームページは、6月8日にオンラインで行われた世界レスリング連盟(UWW)テクニカル委員会の会議の内容を掲載。今年後半に予定されている世界ジュニア選手権(セルビア予定)などの開催の可否の議論とともに、イランは2021年8月の東京オリンピックの約4ヶ月後に世界選手権を開催する提案をしたことを明らかにした。
会議に参加したのは、ネナド・ラロビッチ会長、同委員会のミハイル・マミアシビリ委員長(ロシア協会会長)のほか、アリ・アクバー・デュダンゲ(イラン)、リッチ・ベンダー(米国協会エグゼブティブディレクター)らの委員。最初に、今年のカデット、ジュニア、U23の世界選手権の開催を話し合ったという。
その後、ロシアは今年9月にシニアの世界選手権の開催を提案したそうだが、イランは「現在、イランではクラブが閉鎖されており、活動がいつ始まるかも分からない。予選をする時間もない」として反対し、米国も同調。提案されただけで議論されることはなかったとのこと。
イランは2021年12月に世界選手権の開催を提案した。東京オリンピックの1年延期に伴い、2021年7月に福岡で開催予定だった世界水泳選手権や、2021年8月に米国で開催予定だった世界陸上選手権は、いずれも2022年に延期され、多くの競技団体にとって2021年の世界選手権をどうするかは懸案事項のひとつ。
この問題については、今月1日に死去されたチェノ・チェノフUWW副会長(ブルガリア)が4月、ロイター通信に対して「オリンピック・イヤーではあるが、(2021年ノルウェー開催の世界選手権を)実施したいと考えている」とコメントしている。
次の世界選手権が2022年になると、オリンピック出場の望みが断たれた選手は2020年と2021年の2年間に渡って“世界一決定戦”の場がなくなることを憂慮し、「2021年は、より多くの選手に世界トップレベルの闘いのチャンスを与えたい」との方針を示していた。オリンピックは各スタイル6階級であるのに対し、世界選手権は10階級であることも、同年開催実施の必要性を主張するの理由のひとつだという。
UWWは全加盟国に対し、活動状況や今年の各世代の世界選手権の出場の可能性などのアンケートを実施。集計を勘案し、今月末ごろ、今年下半期のスケジュールを発表する予定という。