※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子グレコローマンの東京オリンピック・アジア予選(場所・期日未定)代表チームが3月4日、日体大で合宿をスタート。同大学の学生選手とともに汗を流した。
全国的に蔓延しているコロナウイルスの影響で、社会のあらゆる分野で活動の停止や自粛が求められている。日体大も例外ではなく、トレーニング場が閉鎖されたり、宿泊所だった大学内のゲストハウスが泊まれなくなるなどの“非常事態”。そのため、全日本選手権2位や3位の選手の姿はなく、いつもより少人数での合宿を余儀なくされ、近くのホテルからの通いとなるなど、いつもとは違う合宿となった。
しかし、松本慎吾・男子グレコローマン強化委員長(日体大教)は「学校が閉鎖され、クラブ活動が停止されたりして練習もできないクラブも多い中、こうして練習できることのありがたさを感じてほしい」と伝え、まず練習できることのありがたみへの理解を求めた。
アジア予選の期日と場所が宙に浮いていることで、モチベーションのほか、体重調整などのコンディションづくりも大変なことを認める一方、「予選が延期されるとなった場合、鍛える時間が多くなる、と前向きに考えることが大事」と話し、プラス思考で練習に打ち込むことの大切さを訴えた。
豊田雅俊コーチ(警視庁)は「いつでも闘える、という気持ちを持つことが大事」と伝え、モチベーションを低下させることなく練習を継続していくことを望んだ。
先月のアジア選手権(インド)の映像研究やコーチからの報告で、以前からの課題であるグラウンドの防御練習の継続が今後も続く課題だ。「スタンド戦でポイントを取りに行く中で、最初にパッシブを取って(相手に科して)グラウンドで攻める、が理想だが、デフェンス力がなければ(先行しても)後半逆転されてしまう」とし、後半になっても守り切れる防御の強さを求めた。重量級は、スタンド戦では互角以上に闘えていただけに、よけいグラウンドの防御の強さを必要と感じている。
合宿は10日まで行われる。