※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
1980年にスタートした男子グレコローマンのワールドカップ。昭和の時代は、日本がアジアの代表として当然のように出場していたが、成績といえば、本場のソ連や欧州にはかなわず、米国に対しても重量級に差があり、好成績は残せなかった。
しかし、この大会を経験することで選手に実力がついたことは記録が証明している。1983年に世界王者に輝いた江藤正基、1984年ロサンゼルス・オリンピックで優勝した宮原厚次は、1982年大会の代表選手。当時は個人での順位争いもあったが、ともに優勝している。
他に、1981年に世界選手権銅メダルを獲得した佐々木文和、1984年ロサンゼルス・オリンピックで銅メダルを取った斉籐育造、1987年に当時、日本グレコローマン史上最年少で世界選手権のメダリストとなった西口茂樹、1990年に世界選手権の銅メダルを獲得した蝦名康一ら、世界メダリストに駆け上った選手は、この大会をステップとしてメダル獲得につなげている。
意外なところでは、1988年ソウル・オリンピックのフリースタイル52kg級で優勝した佐藤満が、1984年大会に出場していること。スタイルは違うが、世界トップ選手と数試合できた経験がオリンピック優勝に役に立ったことは確かだろう。
25年ぶりの出場となった今年のワールドカップは、2人の現役世界王者が参加するので、チームとしての好成績が期待されるのは言うまでもないが、次につながる経験を積んでくれることが望まれる。(敬称略)
年 | 期日 | 場 所 | 国数 | 成 績 | 成績(スコア) |
1994年 | 10/29~30 | ケチュケメート (ハンガリー) |
6ヶ国 | 4位 (2勝3敗) |
●[5-5]米国、●[3-7]ハンガリー、 ●[1-8]ウクライナ、○[6-4]エジプト、 ○[6-4]中国 |
【出場選手】48kg級=佐々木昌常、52kg級=内浩二、57kg級=村上和隆、62kg級=菅生洋樹、68kg級=森巧、74kg級=片山貴光、82kg級=高木章夫、90kg級=馬渕賢司、100kg級=派遣なし、130kg級=鈴木賢一 | |||||
1989年 | 11/25~26 | フレドリクスタ (ノルウェー) |
6ヶ国 | 4位(?) | (詳細不明) |
【出場選手】48kg級=大橋正教、52kg級=中森昭平、57kg級=藤岡道三、62kg級=西口茂樹、68kg級=森巧、74kg級=伊藤広道、82kg級=屋比久保、90kg級=森山泰年、100kg級=野々村孝、130kg級=出口一也 | |||||
1987年 | 11/14~15 | アルバニー (米国) |
5ヶ国 | 5位 (0勝4敗) |
●[1-9]ソ連、●[2-8]キューバ、 ●[4-6]米国、●[2-8]スカンジナビア連合 |
【出場選手】48kg級=大橋正教、52kg級=中森昭平、57kg級=黒飛健、62kg級=、68kg級=、74kg級=湯浅邦茂、82kg級=屋比久保、90kg級=東出徹、100kg級=、130kg級=神子沢健一 | |||||
1986年 | 11/15~16 | オーク・ローン (米国) |
5ヶ国 | 5位 (0勝4敗) |
●[0-10]ソ連、●[2-8]ハンガリー、 ●[2-8]米国、●[1-9]キューバ |
【出場選手】48kg級=大橋正教、52kg=藤波俊一、57kg級=中留俊司、62kg級=西口茂樹、68kg級=森巧、74kg級=湯浅邦茂、82kg級=屋比久保、90kg級=東出徹、100kg級・+100kg級=派遣なし | |||||
1985年 | 11/9~10 | ランド (スウェーデン) |
5ヶ国 | 5位 (0勝4敗) |
●[0-10]ソ連、●[1-9]スウェーデン、 ●[1-9]キューバ、●[2-8]米国 |
【出場選手】48kg級=大橋正教、52kg級=大川秀和、57kg級=中留俊司、62kg級=芦野茂美、68kg級=中島光正、74kg級=伊藤広道、82kg級=屋比久保、90kg級=東出徹、100kg級・+100kg級=派遣なし | |||||
1984年 | 11/10~11 | セイナヨキ (フィンランド) |
6ヶ国 | 5位 (1勝1分3敗) |
●[2-8]フィンランド、△[5-5]欧州選抜、 ○[6-4]エジプト、●[0-10]ソ連、 ●[2-8]米国 |
【出場選手】48kg級=蝦名康一、52kg級=佐藤満、57kg級=大城利幸、62kg級=野辺洋和、68kg級=大久保康裕、74kg級=谷一郎、82kg級=屋比久保、90kg級=武藤光一、100kg級=対馬正敏、+100kg級=浅井功 | |||||
1983年 | 11/26~27 | テサローニキ (ギリシャ) |
5ヶ国 | 5位 (0勝4敗) |
●[3-7]ギリシャ、●[5-5]アフリカ連合、 ●[0-10]ソ連、●[3-7]キューバ |
【出場選手】48kg級=齊籐育造、52kg級=宮原厚次、57kg級=三宅正徳、62kg級=大久保康裕・芦野茂美、68kg級=山口勝之・森巧、74kg級=向井孝博、82・90・100・+100kg級=派遣なし | |||||
1982年 | 11/26~28 | ブダペスト (ハンガリー) |
6ヶ国 | 4位 (2勝3敗) |
●[2-8]ハンガリー、○[6-4]米国、 ●[2-8]ソ連、●[4-6]欧州選抜、 ○[7-3]エジプト |
【出場選手】48kg級=蝦名康一、52kg級=宮原厚次、57kg級=江藤正基・三宅正徳、62kg級=長内清一・大久保康裕、68kg級=山口勝之・中島則行、74kg級=谷一郎、82kg級=森山泰年、90kg級=今村民夫、100kg級=藤田芳弘、+100kg級=武田高弘 | |||||
1981年 | 11/27~29 | ソフィア (ブルガリア) |
(成績・選手不明) | ||
1980年 | 12/1-2 | トレレボリ (スウェーデン) |
4ヶ国 | 4位 (0勝3敗) |
●[3-7]スウェーデン、●[3-7]米国、●[1-9]ソ連 |
【出場選手】48kg級=佐々木文和、52kg級=中村文二、57kg級=大野善弘、62kg級=長内清一、68kg級=南敏文、74kg級=谷一郎、82kg級=高西一宏、90kg級=今村民夫、100kg級=吉田幸雄、+100kg級=松永清治 |