2011.08.27

8・29~9・1全日本学生選手権 展望(男子)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 全日本学生選手権は8月29日~9月1日、東京・駒澤体育館で、男子グレコローマン321選手、男子フリースタイル552選手、女子54選手の計927選手が参加して行われる。

 男子両スタイルの見どころをさぐった。(女子は28日に掲載)


 ◎男子グレコローマン(8日29日~30日)

 【55kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年は梶雅晴(山梨学院大)が学生二冠を制覇。抜けたチャンピオンの座は、今年4月の全日本選抜選手権2位の田野倉翔太(日体大=右写真)が最至近距離。全日本合宿に参加して身に付けた実力が発揮されるか。

 昨年のこの大会2位の青木成樹(青山学院大)、3位の大用真郷(専大)と佐藤翔太(中大)、昨年の全日本大学グレコローマン選手権3位で7月の世界ジュニア選手権5位入賞の中野智章(日体大)らが意地を見せられるか。

 昨年の東日本学生春季新人戦優勝の佐々木晋(拓大)、6月の東日本学生春季新人戦優勝の木村洋貴(日体大)がどこまで行けるか? 昨年の世界ジュニア選手権50kg級で銅メダルを獲得した合谷成喜(日本文理大)も要注意。

-------------------------------------

 【60kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年の学生二冠王者の内村勇太(拓大)が抜けた階級。2009年世界ジュニア選手権代表の矢野慎也(拓大)がわずかに他を引き離している状況。

 7月に世界ジュニア選手権を経験した山口優(徳山大)が西日本の大学の意地を見せられるか。6月の東日本春季新人戦優勝の池田圭介(早大)、同2位の石原拓郎(日体大)らが優勝戦線にからんでもおかしくはない。

-------------------------------------

 【66kg級】組み合わせ=pdfファイル

 この階級もずば抜けた強さを持った岡本佑士(拓大)が抜け、新しい選手による闘いが展開される。

 その中で、2009年に世界ジュニア選手権に出場した冨塚拓也(日体大)、2009年東日本学生春季新人戦優勝の音泉秀幸(日体大)ら一歩抜け出ているか。ともにチームの出場停止もあって、まだビッグタイトルは手にしていないが、実力は十分。

 昨年のこの大会と全日本大学グレコローマン選手権3位の福原将太(国士舘大)、7月の世界ジュニア選手権に出場した遠藤彪梧(明大)、6月の東日本学生春季新人戦で優勝した長崎宏樹(山梨学院大)らが日体大の上位独占を防げるか。

-------------------------------------

 【74kg級】組み合わせ=pdfファイル

  昨年の東日本学生秋季新人戦優勝の中村隆春(日体大=右写真)が今年4月のJOC杯も制し成長著しい。昨年3位だった北村公平(早大)と福田翼(拓大)が意地を見せられるか。

 6月の東日本学生春季新人戦で北村を破って優勝した池澤峻介(専大)、昨年の東日本学生秋季新人戦の84kg級で優勝した小森大祐(拓大)なども優勝戦線にからみそう。

 昨年66kg級で世界ジュニア選手権に出場した花山和寛(早大)が階級をアップした。新たな階級で結果を出すことができるか。

--------------------------

 【84kg級】組み合わせ=pdfファイル

 学生四冠王者の岡太一(拓大)が抜け、本命と言える選手はいない。

 2009年世界ジュニア選手権代表(体調不良で出場はせず)の辰川裕也(日体大)、4月の全日本選抜選手権で3位入賞の横澤徹(拓大)、7月の世界ジュニア選手権出場の菊池峻(青山学院大)、6月の東日本学生秋季新人戦で勝った奥田啓介(拓大)らがほぼ横一線。だれにでも優勝の可能性があるだろう。

-------------------------------------

 【96kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年優勝の有薗拓真(山梨学院大)は世界選手権の代表となり、エントリーしていない。昨年2位で7月の世界ジュニア選手権に出場した大坂昂(早大)が頭ひとつ飛び出ている状況か。同3位の金沢勝利(山梨学院大)と山本竜司(拓大)も初優勝を目指す。

-------------------------------------

 【120kg級】組み合わせ=pdfファイル

  4月の全日本選抜選手権で優勝した前川勝利(早大=右写真)が1年生王者を目指す。昨年学生二冠王の谷田昇大(拓大)が阻止できるか。昨年の全日本大学グレコローマン選手権2位の入江泰久(神奈川大)も両者の闘いに割って入りたいところ。


 ◎男子フリースタイル(8月31日~9月1日)

 【55kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年優勝の半田守(専大)が連覇を目指す。7月にはゴールデンGP決勝大会に抜てきされて経験を積んだ。昨年2位の矢後匡平(日大)のリベンジなるか。

 台風の目となりそうなのが、今年の世界ジュニア選手権に出場した森下史崇(日体大)。急成長している選手なので、優勝も十分に考えられる。昨年3位の鈴木優大(明大)、2009年東日本学生春季新人戦優勝の高安直人(日体大)、6月の東日本学生春季新人戦優勝の西洸大(早大)らも上位へ食い込めるか。

-------------------------------------

 【60kg級】組み合わせ=pdfファイル

  昨年の王者で、今年4月の全日本選抜選手権で2位となった石田智嗣(早大=右写真)が優勝候補の最右翼。石田は出場していなかったが、昨年の全日本大学選手権で優勝した鈴木康寛(拓大)が挑む形となるか。

 昨年の全日本大学選手権3位の入江清志(日大)、同東日本学生秋季新人戦優勝の五十嵐琢磨(日体大)らがどこまで食いつけるか。

-----------------

 【66kg級】組み合わせ=pdfファイル

 両スタイルを通じて最多の114選手出場の階級。昨年王者の田中幸太郎(早大)が連覇を目指す。全日本大学選手権で田中を破った小石原拓馬(日体大)との争いとなるか。昨年3位の安田友貴(中大)間瀬雄介(専大)も優勝戦線に割って入りたいところ。

 7月の世界ジュニア選手権に出場した岩渕尚紀(拓大)、6月の東日本学生春季新人戦で優勝した砂川航祐(日体大)らがどこまでいけるか。
 4月の全日本選抜選手権60kg級で3位入賞を果たした井上貴尋(日体大)の新たな階級での台頭も注目される。

-------------------------------------

 【74kg級】組み合わせ=pdfファイル

  昨年学生二冠王の高谷惣亮(拓大=右写真)に、両大会とも決勝で敗れた北村公平(早大)が挑む図式が再現されるか。

 昨年3位の葈澤謙(国士舘大)も両者の争いに割って入りたい。4月のJOC杯で北村を破った森達也(中大)、その森を破って優勝した嶋田大育(国士舘大)ら若手の台頭も期待される。

-----------------

 【84kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年学生二冠王の鈴木聖二(専大)が抜けた階級。早大の東日本学生リーグ戦優勝を支えた山口剛が優勝候補の筆頭となるだろう。

 7月の世界ジュニア選手権出場の佐々木健吾(日体大)、6月の東日本学生春季新人戦で勝った亀山晃寛(山梨学院大)、昨年1年生で春秋の東日本学生新人戦で2階級制覇した菊池峻(青山学院大)らがどう挑むか。

 2009年の高校三冠王者の細谷翔太朗(日大)も、そろそろ大学での闘いに慣れてくる頃。どこまで食い込めるか。

-------------------------------------

 【96kg級】組み合わせ=pdfファイル

 4月の全日本選抜選手権で2位となった入江泰久(神奈川大)が意地を見せられるか。昨年3位の大坂昂(早大)、全日本大学選手権3位の徳山利範(明大)、7月の世界ジュニア選手権で5位入賞を果たした馬場貴大(専大)も加わり、激戦が予想される。

-------------------------------------

 【120kg級】組み合わせ=pdfファイル

 昨年2位の岡倫之(日大)に、4月の全日本選抜選手権で3位入賞の村木孝太郎(拓大)がどう挑むか。グレコローマンのみならず、高校時代にインターハイ優勝などフリースタイルでも実績のある前川勝利(早大)が優勝争いにからんでくるか。

 全日本大学選手権3位の増田拓也(山梨学院大)、96kg級で全日本大学選手権を制したこともある金沢勝利(山梨学院大)も意地を見せたいところだ。グレコローマン学生二冠王の谷田昇大(拓大)はフリースタイルでも力がある選手。優勝争いにからんでくるか。