※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
今月17日(土)~18日(日)に高崎市で行なわれるワールドカップ(W杯)に向け、女子代表チームが3月12日、東京・味の素トレーニングセンターで直前合宿をスタートした。
来月7日(土)~8日(日)に米国・アイオワでW杯を控える男子フリースタイルもこの日から合宿をスタート。練習前の整列とあいさつは合同で行なわれ、赤石光生強化本部長補佐は「アジア選手権では、勝った選手も負けた選手も課題は残ったはず。その克服に臨んでほしい。ワールドカップへ向けて、『何をやっていいのか』ではなく、『これをやる』という明確な目標を持ってほしい。そうすれば、おのずといい結果が出てくる。いい調整をしてほしい」と伝えた。そのあと、二手に分かれて練習を開始した。
笹山秀雄・女子強化委員長(自衛隊)は「アジア選手権の反省として、投げ技にかかった選手が多かったということがある。この合宿で投げ技対策のおさらいをしたい」と最終合宿のテーマを話す。直前の調整合宿でもあるため、午前練習を休んだり、練習量を落としたりした方がいいと思う選手にはそれを認め、万全のコンディションをつくって高崎へ乗り込む予定だ。
地元ということで各階級2選手をエントリーしているが、同委員長の頭の中には、だれが1番手で、だれが2番手、という感覚はないという。「調子のいい選手を起用する」とのことで、全日本1位が1番手ではなく、その時点で強い方が1番手。この合宿での仕上がり具合も見て、選手起用を決める方針。
一方で、若手選手に経験を積ませたいのも事実。団体戦特有の流れの中で、いつもと違った力が出るのがW杯の特徴。2014年大会では土性沙羅(東新住建)がオリンピック・チャンピオンを破り、2015年大会では川井梨紗子が世界2位の選手を破り、世界一への道を切り開いたのは記憶に新しい。
「若手も出したい。経験を積ませたい」という気持ちもあって悩むところだが、「やはり優勝が優先。勝てるメンバーを中心に臨む」と話し、4大会連続優勝を見据えた。
キャプテンに任命された68kg級の土性は「チーム一丸となり、4連覇できるよう頑張りたい。(オリンピック&世界チャンピオンとはいえ)出てくるのは強い選手ばかり。気を抜かずに頑張りたい。いろんな国の選手と試合できるので、世界選手権へ向けての第一歩として頑張り、自分が勝つことでチームに勢いをつけたい」と話す。
地元チームの主将の宿命(?)で、開会式での選手宣誓もやることになった。土性ほどの実績の持ち主なら何度か経験していると思われるが、意外にもやったことがないという。「人生初めての選手宣誓になります。人前で話すのは苦手なので、試合より緊張するかもしれないですね」の苦笑しつつ、大舞台へ燃えていた。
副将に指名された62kg級の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)は「3度目のワールドカップになります。2度とも優勝でき(自身はともに4戦全勝)、いい思い出の残っている大会ですが、これまでは若手の立場での参加。今回は上の立場。チームをしっかり引っ張って、チームの勝利を目指したい」と言う。
個人としては、昨年の世界選手権から7ヶ月が経ち、「久しぶりの国際大会という感じ。(8月の)アジア大会に向けて感触を確かめたい」という目的も。反対側のブロックからモンゴルが出てくれば、世界チャンピオン(オーコン・プレブドルジ)との対戦が濃厚。「いずれは闘う相手。不安があるけど、久しぶりに勝てるかどうか分からないどきどきした試合になると思うので頑張りたい」と話した。
チームは15日に高崎市へ移動する。
※本合宿は競技力向上事業の助成を受けています。
【3月17日(土)】9時~11時30分 A組 カナダ-米国 / B組 モンゴル-中国
A組 日本-スウェーデン / B組 ベラルーシ-ルーマニア
11時30分~14時 A組 スウェーデン-米国 / B組 ルーマニア-中国
A組 日本-カナダ / B組 ベラルーシ-モンゴル
16時30分~17時 開会式
17時~19時30分 A組 スウェーデン-カナダ / B組 ルーマニア-モンゴル
A組 日本-米国 / B組 ベラルーシ-中国
【3月18日(日)】9時~10時30分 7・8位決定戦
10時30分~12時 5・6位決定戦
13時~14時30分 3位決定戦
14時30分~16時 優勝決定戦
16時~16時30分 表彰式・閉会式