※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
選手を激励する高田裕司専務理事
日本協会の高田裕司専務理事は、今月12~13日にアゼルバイジャンで行われたフリースタイルのワールドカップを振り返り、「米満(達弘=自衛隊、66kg級)は世界チャンピオンを破って自信になったと思う。日本全体として結果が出てきているのは、ルールに合った強さが身についたということ」と、全体の底上げを評価。「日本選手はタックルという武器を持っている。1個のタックルでオリンピックの金メダルの可能性が出てくる」と話し、さらなる技術向上を求めた。
グレコローマンでも、55kg級の長谷川恒平(福一漁業)が世界一の選手を破って五輪出場枠を獲得したことを挙げ、「自信をつけたと思う。みんな自分のレスリングの形ができている。相手のペースにはまりそうな時でも、自分のレスリングに持ち込むように」と要望した。
最終予選でフリースタイル96kg級の磯川孝生(徳山大職)が出場権を決めたことを高く評価。「両スタイルの96kg級でオリンピックに出場できるということで、日本の重量級選手に明るい光を与えた」と褒めた。
ジュニア選手に対しては、「トップ選手の実力が上がっているということは、ジュニア選手の実力も上がっているということ。全体の底上げは、間違いなくジュニア世代の底上げにもなっている。自信をもって闘ってほしい」と期待した。
湯元健一・進一兄弟の練習を見つめる佐藤満強化委員長
五輪代表チームは、25日まで続くこの合宿のあと、味の素トレーニングセンター、または専大(フリースタイル)と日体大(グレコローマン)に分かれて断続的に合宿をこなすが、グレコローマン55kg級の長谷川、60kg級の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)、96kg級の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)の3選手は6月5日からロシアへ向かい、現地での練習に加わって対外国選手の対策を積む。斎川だけがそのあとポーランドに渡り、同地での国際大会に出場する。
6月20~24日は恒例の菅平合宿。自然の中で体力を養成し、7月前半には韓国で同国五輪代表選手ほかとの合同合宿を予定している。この時期は練習相手を務めてもらうべく学生選手が試験で全日本合宿に参加しづらいため、思い切って海を渡り、実力養成をはかる。
7月13日からは、ロンドンへ向けて出発するまで味の素トレーニングセンターで合宿。五輪の開会式(27日)には参加せず、31日にロンドンへ向かい、5日からの試合に備える。
![]() 伊藤広道強化副委員長のグレコローマン指導 |
![]() 田南部力コーチによるフリースタイル指導 |