2012.05.11

イラクら4ヶ国6選手がワイルドカード(主催者推薦枠)で五輪に出場

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 国際レスリング連盟(FILA)は5月10日、ロンドン五輪予選をすべて終了し、ワイドルカード(主催者推薦枠)を含めた五輪に出場できる344選手を発表した(注=選手は各国オリンピック委員会(NOC)の承認のもとで変更できる)。

3月末のアジア予選で新庄寛和と闘ったサクマニ・アリ

 ワイルドカードは、規定で開催国の英国に3枠が与えられたほか(選手は未確定)、男子グレコローマン120kg級のNadhim Salman Sakmani Ali(イラク)、女子63kg級のSylvie Michelle Agoue(中央アフリカ)とMaria Mcqueen Dunn(グアム)の3選手の計6選手に与えられた。

 イラクは1988年ソウル大会以来の五輪出場で、中央アフリカからは初の五輪出場。

 イラクは元々レスリングの盛んな地域で、イランイラク戦争でブランクはあったものの、1988年ソウル五輪まではオリンピックやアジア選手権などの大会には頻繁に出場していた。1991年の湾岸戦争で状況が変わり、1990年代はシニアの大会にはほとんど出場していなかった。

 2002年にはイランで行われた男子フリースタイル世界選手権に久しぶりに出場し、フセイン政権が崩壊したあとの2003年10月に男子グレコローマンの世界選手権に出場したが、2004年アテネ五輪、2008年北京五輪ともに出場はなかわなかった。日本も2007年夏にイラクの17選手を受け入れるなど、強化に協力した。

 ワイルドカードは発展途上国の支援のため、通常、予選に積極的に参加しなから1人も通過できなかった国、および開催国の中から選ばれる。

 また、アフリカ予選で出場枠を取った選手のうち、男子フリースタイル84kg級のエジプト選手と女子63kg級のギニアビサオ選手にドーピング違反の疑いがあり、現在、調査中であることも発表した。