※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
※4月19日掲載の「展望」記事を、欧州予選が終了し、エントリーが判明したことで修正したものです。なお、エントリーした選手以外の選手が出てくる場合もあります)
【74kg級】
《日本代表》鶴巻宰=自衛隊 / 最近の主要国際大会成績と五輪出場枠獲得国
昨年の世界選手権では欧州が6枠中5枠を獲得。今度の欧州予選でグルジアとデンマークの2ヶ国が抜け、欧州の敵はかなり絞れる。アゼルバイジャンは事前のエントリーがなく、ハンガリーはこの階級にエントリーしていないので、さらに追い風が吹いた状況だ。
パンアメリカンも米国とキューバが今年の大陸予選で出場枠を獲得。残る強敵はベネズエラくらいだ。
残るアジアは、カザフスタン、韓国、キルギスが出場枠を獲得した一方、イランが残っている。今年のアジア選手権優勝のハジ・アリザデフが出場するようで、最大のライバルとなるか。2008年北京五輪2位のチャン・ヨンシアンが出て来る中国も要注意だが、最近は目立った成績を残していない。あとはそう強い国はない。
【84kg級】
《日本代表》天野雅之(中大職) / 最近の主要国際大会成績と五輪出場枠獲得国
昨年の世界選手権で出場枠獲得6ヶ国すべてが欧州だった階級。取りこぼした中で唯一の強敵は2010年世界チャンピオンのフリスト・マリンポフ(ブルガリア)だったが、欧州予選でも取りこぼした。今大会のエントリーには入っているが、控え選手も2選手エントリーしており、だれが出て来るか分からない。
フランスは2008年北京五輪5位のメロニン・ノウモンビがエントリーしているが、欧州予選に続いての出場。クロアチアの選手も欧州予選に続いてのエントリーで、体調はどうか。
パンアメリカンも米国とキューバの2強が大陸選手権で出場枠を獲得してくれた。コロンビアとドミニカが要注意だが、ずば抜けた強さではないはず。
アジア大陸予選で出場枠を獲得したのはカザフスタンと韓国で、イランが残っている。42011アジア選手権優勝のダボウド・アクバリと2012アジア選手権優勝のアカラギ・ハビボラフがエントリーしている。欧州の強国のいない中では、どちらが出てきても優勝候補筆頭だろう。あとのアジアの国は大きな実力差はない。
【120kg級】
《日本代表》新庄寛和=自衛隊 / 最近の主要国際大会成績と五輪出場枠獲得国
ロシアが取りこぼしており、欧州予選でも2004年アテネ五輪王者のハサン・バロエフが出場枠獲得を逃した。今大会にはバロエフではなく若手選手の出場だが、優勝候補であることに違いはないだろう。他には、2011年世界2位のアルメニアが欧州予選で出場枠を取たので、欧州勢に手ごわい国はない。
パンアメリカンは米国とキューバが獲得済み。ベネズエラが要注意か。
アジアは昨年の世界選手権でイランとカザフスタンが出場枠を獲得し、大陸予選で中国とウズベキスタンが抜けた。韓国、イラク、キルギスなどの出場が予想されるが、飛び抜けている国はない。