2012.04.23

【JOCジュニアオリンピックカップ・特集】歓喜のバック宙! 高校三冠王者の強さが復活…保坂健(早大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 JOCジュニアオリンピックカップのジュニア・男子フリースタイル66㎏級は、2年前の高校三冠王・保坂健(早大=右写真)が優勝。大学初タイトルとともに、世界ジュニア選手権(9月、タイ)の切符をつかんだ。「試合はバタバタしていたけど、結果が優勝なのでホッとしている」と保坂は初戴冠に胸をなでおろした。

 埼玉栄(埼玉)時代にフリースタイル66㎏級で高校三冠王となり、鳴り物入りで早大に入学。スーパールーキーとしての活躍が期待されたが、昨年のこの大会で試合中に右足を捻挫して敗退。その後も、けがなどで新人戦を含めても優勝がなかった。

 だが、王者の誇りは消えてなかった。「今大会も直前にも熱を出してしまった」と万全な調子ではなかったようだが、試合の要所で真骨頂の両足タックルがさえた。「これ(両足タックル)しかないから」と謙遜したが、スピードや切れは同階級でダントツだった。

優勝を決めた後に見せたパフォーマンス

 決勝戦で松嶋朔(東洋大)を破って勝ち名乗りを受け、直後にうれしさのあまりバック宙を披露。「勝ったらやろうと思っていたけど、恥ずかしくて他人には言えなかった」と、自身の中での“約束事”だったようだ。

 ひとつだけ心残りなことは、「同期で同じ早大の(桑原)諒と決勝で闘えなかったこと。桑原と『決勝で闘おう』とずっと声をかけあっていたのに残念だった」と悔しさをのぞかせた。

 今大会で優勝し、再び66㎏級の第一線に戻ってきた保坂。「インカレは田中幸太郎先輩や、井上貴尋さん(日体大)がいますけど。上位進出できるようにしたい。世界ジュニア選手権では、幸太郎先輩よりいい色のメダル(金メダル)を取るようにしたいです!」と目標を掲げた。