※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
JOCジュニアオリンピックカップのジュニア・男子フリースタイル66㎏級は、2年前の高校三冠王・保坂健(早大=右写真)が優勝。大学初タイトルとともに、世界ジュニア選手権(9月、タイ)の切符をつかんだ。「試合はバタバタしていたけど、結果が優勝なのでホッとしている」と保坂は初戴冠に胸をなでおろした。
埼玉栄(埼玉)時代にフリースタイル66㎏級で高校三冠王となり、鳴り物入りで早大に入学。スーパールーキーとしての活躍が期待されたが、昨年のこの大会で試合中に右足を捻挫して敗退。その後も、けがなどで新人戦を含めても優勝がなかった。
だが、王者の誇りは消えてなかった。「今大会も直前にも熱を出してしまった」と万全な調子ではなかったようだが、試合の要所で真骨頂の両足タックルがさえた。「これ(両足タックル)しかないから」と謙遜したが、スピードや切れは同階級でダントツだった。
優勝を決めた後に見せたパフォーマンス
ひとつだけ心残りなことは、「同期で同じ早大の(桑原)諒と決勝で闘えなかったこと。桑原と『決勝で闘おう』とずっと声をかけあっていたのに残念だった」と悔しさをのぞかせた。
今大会で優勝し、再び66㎏級の第一線に戻ってきた保坂。「インカレは田中幸太郎先輩や、井上貴尋さん(日体大)がいますけど。上位進出できるようにしたい。世界ジュニア選手権では、幸太郎先輩よりいい色のメダル(金メダル)を取るようにしたいです!」と目標を掲げた。