2012.04.08

男子フリースタイル60kg級五輪代表決定プレーオフ 出場選手コメント

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 前田翔吾(至学館大職)「…。ちょっと言葉が見つからないです。この試合(プレーオフ)は勝ち切らないと…。メダルとか賞状とかのない大会で、最後まで勝ち切る大会だったので、惜しかったとか、そういう気持ちにはなれなくて、これで終わりなんだなと思いました。

作戦は特に考えていなかった。湯元さんは、僕が大学に入った1年生の時に4年生で、ずっと背中を追いかけて、一生勝てないと思っていた存在。1度は勝ったけど、2度目で負けて残念です。(最後の試合で両足タックルを受けたことは)1試合目は先に1ポイントを自分が取って、ポイントを取る意識でフェイントやプレッシャーをかけていたので、相手が飛び込んでこなかった。最後の試合は、消極的になり、防戦になってしまったので、相手に勇気を持って入らせてしまった」


 高塚紀行(自衛隊)「石田選手との最初の試合は練習でやってきたことができて、納得がいく試合だった。前田選手との試合は第2ラウンドで大きい技にかかってしまって流れが変わった。相手は組み手がうまいことは分かっていたんですが…。ああいう技がかかるのは隙があるからだと思います。気持ちのどこかに、守りの姿勢があったかもしれないです。もっと自分から攻めていれば結果は変わっていたかもしれない。最後クリンチで終わったというのは、『やってしまった』という感じです。クリンチで終わる試合だけはしたくなかったのに…。

今回のプレーオフは気持ちを入れてやった。やってきたことに後悔はない。だけど、前回の北京五輪の予選から8年分の思いがあったので、こんなところで負けていたら駄目なんです。それでも、やれることはやりました。(持ち点0点からの厳しいプレーオフに際して)自衛隊のコーチや仲間が後押ししてくれた。期待に応えたい、応えなきゃという気持ちだった。今回負けたのは自分の力が足らなかったのが一番の原因です。

(北京五輪代表でも最後まで争って負けた)湯元選手とやりたかったという気持ちはあります。前回、最後まで闘った。今回も8年間の集大成でやりたかった。

まだレスリングは続けます。小さい頃から目指していた五輪が一番の目標ですが、世界選手権でもメダルを取っていかないと。自衛隊に入ってからまだ一度も優勝していません。納得いくまでやりたい。期待に応えたい。それが次の五輪までかどうかわからない」


 石田智嗣(ワセダクラブ)「この試合だけじゃなく練習も減量も全力でやりました。悔いはないです。(全日本選手権から3ヶ月、どういう練習を?)他の選手と違い、五輪3位や世界3位といったレベルではないと分かっていたので、基礎からやってきました。高塚選手の五輪にかける思いのプレッシャーを感じたし、自分も持っているつもりだったけど、相手の方が上だったかなと思う。弱気になったつもりはないけど、押し切られた感じ。

高塚選手とは今回3回目の対戦で初めて負けたと思う。誰とやっても五分五分の勝負になるなと思っていた。得意という意識はなかったです。(第2ピリオドで取ったポイントは)自分から飛び込んでいけば練習通り点数に繋がるんだなと思った。課題は以前から変わらず攻撃面。ロンドンにはつながらなかったけど、収穫になった」