【ビシュケク(キルギス)】2026年アジア選手権の男子グレコローマンは、一昨年、昨年と続いた金メダル獲得が途切れた。国別対抗得点も昨年の3位から7位に後退。しかし、全階級で全日本王者が出場した昨年に対し、今年は5月の明治杯全日本選抜選手権との兼ね合いもあって、6階級で2・3番手の出場。その中でメダル3個(銀1・銅2)は、選手層の厚みができたと言えるのではないか。
松本隆太郎監督(育英大教)は、地元キルギスを含めて一番手が出場している国が多い中、「収穫はあった」と総括。オリンピック階級の60kg級と67kg級で、2番手と3番手が出場したにもかかわらずメダルを手にしたことを評価した。
銀メダルを取った67kg級の清水賢亮(自衛隊)は「自分の形を出して決勝まで行ってくれた。決勝の内容も悪くなかった」と評価。ラザク・ベイシェキーフ(キルギス)との決勝は、グラウンドの防御になって、スタンドまでの時間がやや長く感じたそうだが、「(相手は)地元選手なので仕方ない。あそこで守れていれば分からなかった」と言う。
ベイシェキーフは、全日本王者の遠藤功章(東和エンジニアリング)が昨年のアジア選手権で1-5で、2位の曽我部京太郎(ALSOK)も昨年の世界選手権でフォールで、それぞれ負けている相手。その選手に、「あそこまでできたのは自信になったと思う。自分にもチャンスがあると信じ、上位選手に食い込んでほしい」と話した。
塩谷は、3位決定戦でリフト技を決められたことを評価。「自分の強みを出せれば、世界でも勝負できる位置にいることは実感できたと思う」と話す。
両階級とも、国内には全日本王者ほか強い選手が何人かいる。「日本で(この大会を)見ている選手も刺激になった思う。切磋琢磨してほしい。国内を勝ち抜けばオリンピックでメダルを取れる、というところまで引き上げたい」と話し、全体の底上げを目指す。
昨年、97・130kg級でメダルを取った重量級は、今年はメダルに手が届かなかった。やはり「フィジカルの差が大きい」と言う。トレーニングの仕方を考えていかないと差は縮まらないが、「奈良(勇太=警視庁)は、グラウンドの防御が少しずつでも切れるようになっているのは確か。こうすれば切れる、が頭で分かっかてきたと思う」と、今後に期待。
77kg級の堀北一咲望(宮崎県スポーツ協会)は元世界王者に善戦したものの、「もう少し行けた。まだ若さが出てしまった。早く世界で通じる選手になってほしい」と、経験を積んでの飛躍を望んだ。
来年のアジア選手権は、オリンピックの予選にからむので(年間を通じたランキング・ポイントで出場枠が与えられる)、明治杯全日本選抜選手権の時期のからみもあるが、ベストメンバーでの出場になることが予想される。「そこで初めて、日本がアジアの中のどの位置にいるかが分かる」とし、今後の強化に臨む。