インドの「INDIAN EXPRESS」は3月12日、世界レスリング連盟(UWW)がイランとイスラエルを中心とした西アジア情勢を考慮し、10月に予定されている2026年シニア世界選手権の開催地変更を検討していることを報じた。UWWのネナド・ラロビッチ会長が同紙の質問に対し、「私たちは状況の推移を注視し、代替候補地を探しています。何よりも平和が回復されることを望んでいます」と回答したという。
ラロビッチ会長は、同じアジアのキルギスで4月に行われるアジア選手権については、予定通り開催されることを明らかにした。しかし、バーレーンはイランによるミサイルやドローン攻撃を受けており、10日には首都マナマの住宅ビルへの攻撃で女性1人が死亡。「状況が改善しない場合は、代替開催地を検討する」と話した。代替開催の候補については、明らかにしなかった。
今年の世界選手権は10月24日(土)~11月1日(日)にバーレーン・マナマで予定され、初の中東開催として注目されていた。日本の外務省は今月2日、バーレーンの危険レベルを3(渡航中止勧告)とし、周辺国を含めて在留邦人に退避を呼びかけ、チャーター便を出して帰国させている。バーレーン発着のフライトは軒並み欠航となっている。
イランは現在、国境を閉鎖しているとのこと。現時点でUWWはイラン・レスリング協会の役員と連絡を取ることができていないそうだが、「全員無事という情報が入っている」ともコメント。
イランに関しては、反政府のデモに参加したとのことでサレハ・モハンマディ氏が死刑判決を受けている(クリック)。UWWは人権を尊重した、公正かつ透明性のある公平な裁判を求め、「いかなる状況下においても死刑に反対する姿勢を改めて表明します」との方針を打ち出している。
同会長は「UWWは、世界的な紛争や政治的緊張がスポーツ、特にレスリングに深刻な影響を与えることを認識している。UWWが国内外の情勢に直接影響を与える力は限られているものの、スポーツ外交やレスリング界およびオリンピック界との連携などを通じて、可能な限りレスリング選手を支援し、彼らの保護を訴えることに引き続き尽力していく」との声明を明らかにした。
なお、同紙によると、自国のインドは4月のアジア選手権には支障なく参加予定とのこと。今年はU17・23のアジア選手権が5月にベトナムで、U15・20のアジア選手権は6月にタイで予定。U17世界選手権は7月にアゼルバイジャン、U20世界選手権は8月にスロバキア、U23世界選手権は10月に米国で開催予定で、いずれも中東情勢が現在のままであっても影響を受けそうにもない。
10月予定のベテランズ世界選手権は、イスラエルの隣国ヨルダンで予定されており、何らかの影響を受ける可能性がある。