西日本の団結と実力アップを目指す第4回「San-E Cup 関西オープンレスリングフェスティバル」には、西日本学生リーグ戦の二部リーグに所属し、大学入学後にレスリングを始めた選手が大半のチームも参加した。かつては一部リーグで闘い、インターハイ王者が進んだこともある桃山学院大学(大阪府和泉市)。
昨年の西日本学生リーグ戦は、春秋季とも二部リーグで7位。はい上がりを目指す状況。現在の4年生が抜けて部員は6人(他に女子マネ-ジャー2人)となり、4人がレスリング未経験の選手。4月からの新入部員を求め、二部リーグでの上位を目標に再浮上を目指している。
部員が少ないだけに、東裕監督(あずま・ゆたか=2004年同大学卒)は、高校生を含めた多人数での今回の合同練習を「貴重な機会」と位置づける。選手がどんなに自覚を持っても、毎日5~6人での練習で気持ちを維持し続けるのは厳しい。
初心者の場合、一部リーグのチームと合同練習しても、実力差がありすぎて練習にならない。しかし、高校生でキャリアの浅い選手相手にはポイントを取ることもでき、“闘い”になる。「自分の成長を感じることができる、いい機会なんです」と言う。
同大学レスリング部は1964年、関大OBでのちに吹田市民レスリング教室の代表となった押立吉男氏が創設。60年を超える歴史を持ち、西日本の学生レスリング界では5番目に古い伝統校(関連記事)。西日本学生リーグ戦は最高で3位の成績を持ち、全日本大学選手権の王者も誕生している。
再浮上へ向けては、東監督は「まず人数ですね」と言う。初心者が多くても、部員が多ければ熱が入るし、いろんなタイプの選手との練習ができる。二部リーグでも初心者が多い大学もあり、大学へ入ってからレスリングに活路を求める選手は少なくない。多くの学生に声をかけて選手を集めたい気持ちを表した。
大学にスポーツ推薦制度はあり、高校での強豪選手に門戸を開けてはいるが、東裕監督は、その制度を使い切れていない現状を口にする。今後、この制度をうまく利用するとともに、その他の入試制度等も活用し、一人でもたくさんの部員獲得を努める。
今は二部リーグに低迷しているので、高校選手が進路のひとつとして考えていないのが実情かもしれない。同監督は、学生主体の練習であることをアピールし、入学を呼びかける。学生だけでは満足に練習しない、という声があるのも事実だが、東監督は、プロレスリング・ノアのリングで活躍中のマサ北宮(本名・北宮光洋)を例に挙げ、レスリングが好きな選手が率先して練習すれば成績は出せると考えている。
北宮は、高校時代(富山・高岡商高)は特別な実績はなかったが、「好きこそものの上手なれ、との言葉通り、必死に練習し実力をつけていった」と言う。4年生のとき(2010年)に西日本学生王者に輝き、全日本選手権にも出場。その経験を生かしてプロレスで活躍する選手になった。「私が思う理想の学生選手でしたね」と振り返る。
同じく大阪・高石高時代は特筆した実績のなかった須惠勝貴(現大阪府警)も、2012年全日本大学グレコローマン選手権で3位となり、30代半ばになった現在でも社会人の大会に常連として出場。「大学で熱心に練習して力をつけた選手です」と話す。指導陣としてこうした選手を見てきただけに、まず選手を集めて活気を作り出し、上を目指して努力する選手が生まれることを望んでいる。
同大学出身の東監督は学生時代、一部リーグで闘っていたが、最後の年に二部リーグへ降格した経験を持つ。それだけに、一部リーグへの復帰・定着を願う気持ちは強い。まず団体戦でフルメンバーを組めるよう、初心者を集めてでも部員を増やすことを目標とする。
同大学の運動部では、サッカーが強く、Jリーガーを何人も輩出している。活躍中のタレントも多い。くら寿司の創業者の田中邦彦社長や、エンターテインメント施設「ラウンドワン」の杉野公彦社長も卒業生。社会の多くの分野で活躍している。
大学のおよび卒業生の躍進とともに、レスリングでの再浮上が望まれる。