(文=布施鋼治)
2026年「San-E Cup 関西オープン」は、今年1月1日から適用された世界レスリング連盟(UWW)の新ルール適用による初の国内大会となった。実際に、その影響はあったのか。UWWのインストラクターで今大会の受け入れ先となった天理大の小池邦徳GM(大会審判委員長)は「新ルールに該当するような場面はなかった」と振り返る。
新たにポイントになることに変更されたヒザがついた状態でのステップアウトも、「私が見た限り、選手の方がルールをよく把握しており、そうした状態で場外に出ることはなかった。むしろ、マットの中でレスリングをするようになっていたんじゃないですかね」
その傾向は、今月初めにクロアチア・ザグレブで行われた今年初のランキング大会「ザグレブ・オープン」に参加した日本代表チームの指導陣からも報告されたこと。「今後は場外際より、マット中央での展開が増えるんじゃないでしょうか」。
もうひとつ、グレコローマン以外では相手の足を踏んでの攻撃がOKになったが、小池GMは「そういう攻防は見られなかった」と言う。「踏みつけも大きな変更点と思ったのですが、今大会では、一回もそういう展開はなかったです。審判からすると、ファウルではなくなったので、あっても注意することもないですが…」
また大会期間中、小池GMはいずれの日も参加選手たちに諸注意を説明するなど運営側の要としても活躍した。リーグ戦はオーストラリア・チームを除けば、大学別ではなく、地域ごとに呉越同舟でチームを編成していたところに特色があったが、「チームは地域ごとにミックスして編成するというところが面白かった」と話す。
「結果的に九州勢の強さが際立っており、決勝も九州・中国勢同士の組み合わせになりました(3位までを九州勢が独占)。個人的には関西勢の結果が、ちょっとさびしかったですけど…(関西Cの4位が最高)」
今回は4回目の開催ながら、初の冠大会となり、海外からもチームを招聘した。2日目の午後からは高校生も加わっての練習会は大盛況で、4面マットの会場は熱気に包まれていた。
もっとも、小池GMは大会会場として試合用のマットを2面しか敷けなかった点を今後の課題材料にあげる(注=練習マットが2面あるので計4面)。「(試合ができる)マットを4面敷けるような施設を用意できれば、もうちょっとチーム数を増やし選手を分散させ、出場できる選手も増やすことができたでしょう」
来年以降は会場変更も念頭に入れているのか。2月14~15日には同じ天理市内で「全日本学生柔道 Winter Challenge Tournament 2026」が開催されていた。そちらの開催場所となった天理大学杣之内第一体育館は天理市内で最大規模の屋内スポーツ施設だという。
小池GMは「来年は柔道と開催時期をずらし、レスリングでもその体育館を使えるようにできたらいいと考えています。まだどうなるか分からないですけど、すでにウチの監督(福井裕士)が動いています」と語る。
関西から世界へ。来年以降、「San-E Cup 関西オープン」は、さらにグレードの高い大会になるのか。