クロアチア・ザグレブで行われた2026年ランキング大会・第1戦「クロアチア・オープン」に参加した女子チームが2月9日、成田空港着のオランダ航空で帰国した。5階級を制し、9選手がメダルを獲得した好成績だった。
冨田和秀監督(女子強化委員会)は、9選手がメダルを手にした成績を高評価する一方、コンディショニングに問題のあった選手がいたり、新ルールへの対応が今ひとつだった選手がいて、勝てる試合を落としたケースもあったことを指摘。細心の注意と、わずかの工夫で「もっと好成績を出せた。もっと優勝できた」と、欲の深いコメントを話した。
新ルールについては、全体的にマット中央での展開が多かったと分析。グラウンド状態での場外も失点になることで試合の流れが変わっており、「闘うポジションが重要になるように感じました」と言う。足を踏みにいく攻撃は、「それほど見なかった」と言う。
好成績だったが、驚異的な飛躍を見せている北朝鮮や、伝統の中国がいない中での大会だったことも意識し、特に重量級は体力面の強化がなければ勝ち抜くのは「厳しい」とも話した。4月のアジア選手権へ向けて、ポイントを設定しての練習を積むことで競った試合に勝つ強さを身につけ、場外際の攻防を意識した練習など課題の克服へ挑むことを話した。
昨年65kg級で世界一に輝いた森川美和(ALSOK)は階級を上げての挑戦。4試合を勝ち抜いて優勝し、新階級での幸先いいスタートを切った。「優勝できたのはよかったし、練習していたことが出せたのはよかった」と、結果にはひとまず満足。しかし、世界にはまだ強い選手がいることを認識してお、「この階級にしっかり慣れていきたい」と気を引き締めた。
65kg級で闘っていた昨年は、世界選手権を含めて国際大会で3大会連続優勝しており、優勝が続いているわけだが、ノルディック方式の予選で負けて最後に優勝した大会もあり、勝ち続けているという感覚はなし。階級を上げたこともあり、「目の前の大会をひとつひとつ勝っていくことが目標。1からしっかり練習していきたい」と言う。
まずは4月のアジア選手権だが、「明治杯を勝たなかったら次はない。明治杯を目標にしつつ、アジア選手権で強い自分を見せたい」と気を引き締めた。
2024年パリ・オリンピック代表で唯一の出場となった62kg級の尾﨑野乃香(慶大)も4試合を勝ち抜いての優勝。パリ大会前のアジア選手権以来、1年10ヶ月ぶりの国際大会優勝に「空いてしまいましたね。久しぶりに優勝できて、よかったです」と安堵の表情。
完璧な内容とはいかなかったようだが、「満足いかないのが当たりまえだと思うので、今は勝てたことの喜びを感じています。今から、見つかった課題に取り組みたいと思います」と言う。次の出場予定となるアジア選手権には、北朝鮮選手との闘いも予想されるので、外国選手の対策や自身の強みをどう出すかを念頭におきつつ、国内でも厳しい闘いが待っているので、「それも頭に入れつつ強化したい」と言う。
■50kg級優勝・森川晴凪(至学館大)「初めてのシニアの国際大会。楽しんで挑むことができ、どこまでできるかが実感できました。(準決勝は世界3位のロシア選手が相手で)後半に攻めてくることが分かっていたので、対策していました。最後は危なかったのですが、あきらめないで闘うことを意識して闘いました。この優勝を機に明治杯でも優勝できるように頑張りたい」
■53kg級3位・今井佑海(自衛隊)「(2023年の)U23世界選手権以来の国際大会で、優勝を目指していましたが、1回戦で自分の動きが出せずに負けてしまいました。敗者復活戦に回れることになって、気持ちを切り替えてメダルを目指しました。負けた反省を生かせたのは、よかったです。久しぶりの外国選手との試合は、日本選手相手とは違いましたが、楽しくもありました。これも経験値として、明治杯で結果が出せるように頑張っていきたい」
■55kg級3位・原田渚(育英大)「久しぶりの海外での試合。力負けしてしまうことを、あらためて感じました。(世界2位の選手に1-1で敗れ)腕取りで攻めようと思いましたが、警戒されていて通じず、考えて攻めようと思いましたが、相手の力が強くて最後にばててしまいました。自分の力を出し切れなかったことが悔しい。まず力をつけたい。今月は合宿が多いので、考えながら力と技を磨きたい」
■57kg級2位・德原姫花(自衛隊)「(決勝で敗れて)悔しい結果に終わってしまいましたが、気持ちを切り替え、明治杯に向けて頑張りたい。(決勝の相手はアジア選手権62kg級優勝のインド選手)自分と同じ闘い方をする選手、と聞いていて、自分と闘う、という気持ちでした(苦笑)。力負けしてしまいましたので、その部分をこれから練習していきたい。(昨年の世界選手権にも出場し)海外選手と闘う機会が増えているので、ロサンゼルス・オリンピックへ向けて外国人対策もしていきたいけど、その前に破らなければならない選手(藤波朱理)がいます。明治杯は何が何でも勝ちにいきたい」
■59kg級優勝・永本聖奈(アイシン)「全体的に組み手はよかった。タックルに入ってからトーホールドを取られたりすることが多かったので、その部分が課題です。しっかり修正し、自分のレスリングにより自信が持てるようにしたい。(国際大会は2019年以来の優勝で)自信にはなりました。この優勝を機に、次のアジア選手権でもしっかり優勝できるように頑張りたい。その向こうには世界選手権があります」
■65kg級優勝・池畑菜々(育英大)「初めてのシニアの国際大会に優勝できたので、うれしかったです。(5選手出場の)総当たり戦になり、試合の回転が早くて、ずっと汗をかいている状態でした。初めての経験で、実り多い優勝だったと思います。自信にまではなりませんが、優勝できたのはよかったと思います。次のアジア選手権と世界選手権でしっかりと実績を積めるように頑張りたい」
■72kg級4位・吉武まひろ(長崎県協会)「最低限、メダルは取りたかった、というのが正直な気持ちです。(準決勝は元68kg級世界チャンピオンと2-2の黒星)新ルールによる場外際の攻防の面で相手が一枚上手だったかな、と思いました。そこが勝負の分かれ目でした。実力者ともある程度闘えたのが収穫。新ルール対策も含めて練習を重ね、アジア選手権では優勝したい。(教員として練習環境は厳しいが)言い訳にはしない。その中でやり切りたい」
■76kg級3位・松雪泰葉(ジェイテクト)「準決勝は勝ち切りたかったけれど、1回戦のカザフスタン選手とは(2-2の接戦を制して)よかった。いいことも、悪いところも両方出ました。一番よかったところは、初戦で勝てたことです。今年はアジア大会に出場することが一番の目標。この経験をもとに明治杯でも優勝したい。その前のアジア選手権に向けて、今回の反省をしっかり修正したい」