クロアチア・ザグレブで行われた2026年ランキング大会・第1戦「クロアチア・オープン」に参加した男子フリースタイル・チームが2月7日、成田空港着のカタール航空で帰国した。74kg級の青柳善の輔(クリナップ)が銀メダル、57kg級の佐々木風雅(自衛隊)が銅メダルだった。
湯元健一監督(大体大職)は、階級を上げての挑戦となった青柳について「安定した試合運びで、試合巧者らしいレスリングだった」と評価し、決勝で闘ったデービッド・カー(米国)戦もパッシブが契機となって負けにつながったのであり、「そんなに差はない」と分析。ただ、「74kg級のフィジカルがほしい」と、この階級で闘うにはもうワンランク上の体が必要と要望した。
銅メダルを取った佐々木にも求めたのは肉体の強さ。準決勝で闘ったパリ・オリンピック銀メダルのスペンサー・リー(米国)とはフィジカル、技術の両面で「差があった。詰めていかなければならない」と話した。ただ国際キャリアの少ない中で、「よくやった」と評価した。
ともに、単に肉体の強さを求めるのではなく、レスリングの展開の中での強さであり、「工夫したトレーニングが必要」と話した。
日本選手が経験する初めての新ルールの大会でもあった。これは1月の全日本合宿でUWWインストラクターの小池邦德審判員(天理大GM)の講習を受けていたので、グラウンド状態でも場外へ出ない対策ができて試合を進められたと言う。
外国は日本ほど徹底されておらず、対応できない面もあったそうだが、場外際での攻防は減り、マット中央での闘いが多くなった印象とのこと。
相手の足を踏んでの攻撃が認められたが、それを狙うアクションは「まったく見なかった。試合の中でやるのは、難しいのかもしれません」と言う。スタートしたばかりなので、そこまで練習を積んでいないだけかもしれず、しばらく様子を見てからの対応となりそうだ。
70kg級の世界王者として74kg級に挑んだ青柳は、2kgオーバーの計量ということもあって「みんな大きい、と感じました」と言う。
それにもかかわらず、3連勝して決勝へ進んだことは地力の証明と言えるが、優勝でないと気分はすぐれない様子。「(国際大会で)10大会くらい連続でメダルを取っていますけど(正確には12大会連続)、なかなか金メダルに手が届かなくて…」とコメント。昨年2月と7月のランキング大会、さらに9月の世界選手権での優勝はもう頭の中になく、74kg級の金メダルしか考えていないのだろう。
1-4で敗れた決勝のデービッド・カー(米国=昨年の世界選手権5位)戦は「特に何かをされた(やられた)わけではない。74kg級に慣れれば、もっと面白い試合ができると思います」と話し、今後の手ごたえは感じたようだ。今大会はアジア選手との対戦はなかったが、4月のアジア選手権へ向けていい経験となったことは間違いあるまい。
■57kg級3位・佐々木風雅(自衛隊)「ランキング大会に出るのは初めて。粘り強く闘えたいい面と、自分からのアタックが少ないという悪い面の両方が出ました。もっと自分から攻めることができれば、よかった。
(準決勝のオリンピック銀メダリストとは)スコアは2-10と開きましたが、闘える、という感触でした。もう少しフィジカル面や技術力をつければ、十分に闘えると思います。(相手の実績は)気にならなかったですけど、経験は相手が上だと思いました。明治杯は樋口(黎)さんが出てくるでしょう。勝たなければオリンピックは見えてこないので、そこへ向けて全力を尽くします」
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■65kg級・須田宝(山梨学院大=初戦敗退)「階級を上げて初めての国際大会。フィジカルの違いを感じました。2kgオーバーで計量する大会ですが、まだ65kgしかないので、闘う相手が大きく感じました。その時点で負けていたのかもしれません。
その反省を生かし、パワーをつけて次の大会にそなえたい。(手ごたえを聞かれて)初戦敗退ですから…(苦笑)。技はある程度持っているので、フィジカルの強化が課題です」