2026.01.27NEW

【2026年フォーデイズ・カップ全国少年少女選抜大会・特集】兄に続いてMVPを獲得、中学での飛躍を目指す今井園乃(ARC)

 昨年の日本協会傘下連盟選出の年間最優秀選手に選ばれた今井園乃(その=ARC)が、女子6年44kg級で優勝して最優秀選手に選ばれた。兄の絢太(当時AACC)も2023年の傘下連盟選出の年間最優秀選手に選ばれたあと、この大会で優勝しており、兄妹での快挙を達成した。

▲U20とU23で世界チャンピオンに輝いている伊藤海選手(フォーデイズ)に祝福される今井園乃(ARC)

 1回戦からの4試合を無失点で勝ち抜いた今井は「すごくうれしい。練習をいつも見に来てくれるお父さんとお母さん、練習を一緒にやってくれるチームメートのおかげです」と第一声。片足タックルがよくできたそうで、無失点の結果が示すように防御も完璧だった。

 連盟の年間最優秀選手賞に選ばれ、注目されるプレッシャーは「少しあった」と言う。しかし、「だれよりも練習している、と自分を信じて闘いました」と、豊富な練習量で培った自信をもって乗り越えた。

 兄を追って4歳から始めたレスリング。初めて出場した2022年全国少年少女選手権で3位となり、そのときの負けが悔しくて頑張る気持ちになった。そのあと3年連続で優勝。この大会でも3連覇となり、同世代の選手には負け知らずで(注=2024年全日本女子オープン選手権U12で1歳上の選手に黒星)、2月28日~3月1日のU13ジャパンオープン・トーナメントを経て、中学での闘いに挑戦する。

 中学では、最大で2歳上の選手と闘うことになり、大変さは覚悟している。「怖い、という気持ちもあるけど、どんな相手でも圧倒されずについていきたい。下(の年)なのだからチャレンジャーという気持ちになって頑張りたい」と気を引き締めた。あこがれの選手は藤波朱理(日体大)。「自分から積極的にタックルにいく闘いを見習いたい」と言う。

▲同世代無敵で中学レスリング界に挑む今井園乃

兄妹でのU15アジア選手権出場なるか

 兄に続いて妹にも快挙を達成させた父・彬人さん「若いコーチの指導を受け、考えるレスリングができているからだと思います。コーチ陣に感謝です」と、わが子の成長を振り返る。コーチとして練習にも参加しているが、「ああしろ、こうしろ、とはあまり言っていません。自分で考えさせるようにしています」と言う。

 チーム単独での練習だけでなく、例えばフィギュアフォーの本多尚基代表が、小中学生の女子を対象としてクラブの垣根を超えての練習会「Rough Diamond」(「磨かれていないダイヤモンド」の意味)に積極的に参加し、こうした他チームとの積極的な交流を成長の要因に挙げる。チーム内での練習では分からないことを発見したり、仲間ができて競い合ったりとメリットが多く、それが実力アップにつながっていると見ている。

▲決勝までの4試合を無失点で勝ち抜いた

 今年は、兄が3月のU15全日本選手権(U15アジア選手権予選)に、園乃が4月のジュニアクイーンズカップU15にそれぞれ挑み、うまくいけば兄妹でのU15アジア選手権出場が実現する。「園乃はどこまで通用するか。(ともに)まずアジアを取って、いずれ世界で活躍できる選手になってほしいです」と希望を話す。楽しみな2026年上半期となりそうだ。

若い指導陣がそろう新興クラブ「ARC」

 ARC(アーク)は、昨年の世界王者・青柳善の輔(現クリナップ)らが所属していたAACCから分家し、昨年5月にスタートした新興クラブ。青山学院大時代に全日本選抜選手権4位などの実績がある稲葉洋人さん(25歳=昨年の世界選手権代表・稲葉海人の弟)が代表で、中村剛士(専大OB)、安楽龍馬(早大OB)、前田明都(専大OB)らの若手の指導者がそろう。

▲新興チームをけん引する稲葉洋人代表

 稲葉代表は「レスリングを広める、ということに重点を置いています。勝つことだけを教えるのではなく、教育的な観点からの指導を心がけています」と話す。つい最近まで現役選手だった指導者がそろっているので、よく「かなり高度な技術を教えているんでしょ」と言われるそうだが、「そんなことありません。教えるのは基本だけです」と言う。

 勝ち負けも大事だが、「それよりも、選手として(行動を)肯定するようにしています。それによって選手の気持ちが上向きます」と強調。選手にモチベーションを与えることを指導の主とし、2年目の飛躍を目指す。