2026.01.11

躍進インドにドーピング違反が増加、2036年オリンピック開催に暗雲か? 適正化へのステップとの声も

 世界のレスリング界で画期的なプロ・リーグを再開することで脚光を浴びるインドに、冷水をかけるような統計が明らかになった。世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が発表した2024年の国別ドーピング違反者数で、インドが3年連続でトップへ。2036年大会に立候補しているオリンピック招致にも影響を与える可能性も出てきた。

 インド・アンチ・ドーピング機関(NADA)は2024年に7,113件の尿と血液のサンプルを採取し、そのうち260件から禁止薬物の陽性反応が出たという。フランス(91件)、イタリア(85件)、ロシアとアメリカ(76件)、ドイツ(54件)、中国(43件)を大きく引き離している(注=インド以外の総採取数は不明)。

 競技別では、陸上競技76件、重量挙げ43件に続き、レスリングが29件で3番目。女子76kg級で2024年パリ・オリンピック7位・2025年アジア選手権2位で重量級期待の星だったリーティカ・フーダ(23歳)が、昨年7月に国内での検査に引っかかり、暫定的に出場停止処分を受けている。

▲(イメージ写真)

 陸上競技のある大会で、アンチ・ドーピング担当官の存在を理由に選手が次々と不参加を決め、わずか1選手しか出場しなかったとの報告があるほどで、インド・スポーツ躍進の影で薬物禍が蔓延している可能性がある。

 一方、NADAは示された結果は「検査の強化、監視の拡大、そしてより正確な検出方法によるもの」と主張。検査件数は2019年の4,004件から2024年には7,113件に増加し、国を挙げてアンチ・ドーピングに取り組んでいる姿勢を強調。2025年は、12月16日までに7,068件を検査し、陽性反応は110件としている。

 地元メディアは「これまで見逃されていた違反者をより多く摘発するシステムの成果」と報じており、これを機に適正化していく可能性は十分。政府は、検査の強化と施設の拡充、そしてスポーツにおける「最高水準の公正性確保」を目的とした新たな国家アンチ・ドーピング法案を可決し、ドーピング違反撲滅の姿勢を示している。