2025年の世界の男子フリースタイルは、米国が躍進した年だった。U17、U20、U23の世界選手権の国別対抗得点で優勝し、シニアの世界選手権ではイランと11点差の2位。あとわずかで、同一年に全世代の世界選手権の国別対抗得点を制する「世界グランドスラム」を達成するところだった。
2017年にU23世界選手権がスタートして以来、男子でU17・20・23世界選手権の3世代で国別対抗得点を制したのは、昨年の米国が初めて。
57kg級のルーク・リルダール(20歳=ペンシルベニア州立大)は、2022年にU17、2024年にU20、昨年U23の世界選手権を制し、個人での「世界グランドスラム」も視野に入れ始めた。米国レスリング協会によると、3世代の世界選手権を制した男子選手は初。昨年のシニア世界選手権は、国内予選の最後で2024年パリ・オリンピック2位のスペンサー・リーに敗れて代表を逃したが、パリ・オリンピック銀メダルのリーも、すでに追われる立場。その地位は安泰ではない。
シニア世界選手権には、86kg級で全米大学(NCAA)選手権2度優勝のザヒド・バレンシア、92kg級でUWWの「ブレークアウト・レスラー・オブ・ザ・イヤー」(シーズン前はさほど注目されていなかったが、一気にブレークした選手)に選ばれたトレンド・ヒドレイ、97kg級にオリンピック3度連続出場のカイル・スナイダーの3階級で優勝。
メダル獲得は逃したものの、18歳のジャックス・フォレスト(61kg級=5位)と19歳のピーター・デューク(70kg級=11位)の若手2選手が代表入りしており、前述のリルダールを含めてベテランと若手がいい形で混在している。2026年はシニア世界選手権でも国別対抗得点を制する可能性は十分。
これまでロシアやイランが勝つことの多かった世界の男子フリースタイルは、米国が主導権を奪うか。
※2024年シニア世界選手権は非オリンピック階級
| 年 | シニア | U23 | U20 | U17 | ||||
| 優勝国 | 米 国 | 優勝国 | 米 国 | 優勝国 | 米 国 | 優勝国 | 米 国 | |
| 2025年 | イラン | 2位 | 米 国 | 優勝 | 米 国 | 優勝 | 米 国 | 優勝 |
| 2024年 | ジョージア | 4位 | イラン | 5位 | 米 国 | 優勝 | 米 国 | 優勝 |
| 2023年 | 米 国 | 優勝 | 米 国 | 優勝 | イラン | 2位 | イラン | 2位 |
| 2022年 | 米 国 | 優勝 | ジョージア | 3位 | イラン | 2位 | 米 国 | 優勝 |
| 2001年 | ロシア | 2位 | ロシア | 7位 | イラン | 3位 | 米 国 | 優勝 |