(2025年12月18~21日、東京・駒沢体育館)
■62kg級・尾﨑野乃香(慶大=決勝で元木咲良から逆転勝ちし、2年連続優勝)「 今はホッとしています。オリンピック・チャンピオンに勝ったというのは、すごくうれしいです。今回は、相手にも勝つし、私自身にも勝つ、という思いで臨みました。前回(元木との対戦)は1秒以下の残り時間で負けてしまい、『こういうこともあるんだ』ということを学びました。そして『相手にそういうことができるんだったら、私にもできるんだろう』と気持ちを切り換えました。元木さんの闘い方というか、精神力みたいなものを真似しようというか、見習おう、みたいなところもありました。
第2ピリオドに点を取られましたけど、『やられたんだから、やり返そう』と。そんな思いもあって、決してあきらめずにチャンスをつかもうと思って闘い切りました。元木選手は本当に強い。どう点を取ろうかと、ずっと考えていた。今出せるものをやり続けないと、点にはつながらない。今回は攻め続けた結果、自分の持ち味である片足タックルにつながったんだと思います。来年の天皇杯からロサンゼルス・オリンピックへの闘いが始まるので、そこまでぶっ通しで勝てるように頑張ります」
■65kg級・池畑奈々(育英大=第1シードで出場し、順調に勝ち進んで初優勝)「この一年は二つの大きなけがをしてしまい、いずれも手術をしなければならなかった。精神的にしんどかったので、今回優勝することができて、本当にうれしい。全日本チャンピオンという名前をもらえたことが、何よりもうれしい。けがは椎間板ヘルニアと右手の中手骨骨折です。ヘルニアの方は明治杯後にやってしまい、最近まで悩んでいました。中手骨の方はU23世界選手権のときにやってしまいました。ケガをしている間、みんなが練習しているのを尻目に私はずっとリハビリをするしかなかった。
(育英大の練習では、63kg級の元木咲良と68kg級の石井亜海に挟まれる立場でもまれていることについて)ありがたいことに、毎日バチバチ練習させていただいています。咲良さんも亜海さんも尊敬する部分がたくさんあるので、本当にいい環境で練習できていると思います。でも、『自分がオリンピックに』という気持ちを持ちながら練習してます。来年は65kg級でアジア選手権に出場した後、明治杯で優勝して世界選手権の枠を取りたい。来年12月からは(ロサンゼルス・オリンピックのため)68kg級に階級を上げるつもりです」
■68kg級・森川美和(ALSOK=石井亜海との現役世界チャンピオン同士の闘いに勝って優勝)「久しぶりの68kg級での優勝です。世界選手権が終わってから階級を上げることを決めていました。ロサンゼルス・オリンピックへ向けていい一歩が踏み出せたと思います。(決勝は)自分自身でもしびれる内容でした。(石井は)強い相手であることは分かっているし、(2023年世界選手権代表決定プレーオフで)負けてパリ・オリンピックに行けなかった相手。自分のすべてを出して臨みました。もう少しアタックを増やしたかった。もっと展開のある試合をするべきでした。
階級を上げたので、ウェートトレーニングを多く取り入れ、今のレベルを1段階上げる練習をしてきました。きつかったですけど、やってきたことは間違いではなかった。勝てたのはよかったのですけど、この結果で、相手はこれまで以上に練習してくると思います。自分もこれまで以上に練習をしないとならないと思いました。世界の68kg級にはモンスターみたいな選手がいるので、勝てるように頑張りたいと思います。
(インタビュー中、そばにあるモニターで鏡優翔-松雪泰葉の最後のチャレンジシーンが流れ)ちょっとストップしましょう。今は、こっちの方が大事ですから(笑)」
■72kg級・吉武まひろ(長崎県協会=決勝で学生チャンピンの吉田千沙都を破って優勝)「学生時代にも(65kg級で)優勝していますけど、社会人になって、また優勝できて、うれしく思います。(決勝の相手は血筋もいい成長株だが)明治杯で勝っていたので、今回も負けたくない、という気持ちで闘いました、U23世界選手権に出場するため72kg級に上げました。金メダルの目標はかないませんでしたが、働いている特別支援学校の生徒から『次こそ金メダル』と言われ、約束を果たせてよかったです。この優勝で来年のアジア選手権への出場が内定しましたので、世界の72kg級で闘うための準備をし、世界選手権を目指していきたいと思います。
ふだんは学校で仕事をやり、その合間に高校での練習に参加させてもらっています。生徒だけでなく、他の先生などいろんな方の協力で出場できているので、恩返しができました。練習は主に男子高校選手が相手。高校生でも男子選手はパワーがあるし、それ以上にパワーのある女子選手は少ないので、いい練習ができていると思います」
■76kg級・松雪泰葉(ジェイテクト=決勝で鏡優翔を逆転で破り、6年ぶり2度目の優勝)「最後は自分が下で鏡選手にがぶられていた。向こうも守ってくれることは分かっていた。自分でもよく覚えてない部分もあるけど、抜けるというか横にずらしたら、もつれてバックをとることができた(下写真)。それで最後に点数が入ったと感じ、タイマーを見たとき、まだ動いていたのでポイントになる確信はありました。
私はいつも二番手で、いつも銀メダル。とにかく、もう一歩踏み出すことができたらいいと思い、今回は相手の対策うんぬんより、自分のレスリングを徹底させることを念頭にマットに上がっていました。鏡選手は、まだ復帰直後で本調子ではなかったと思う。だからこそ、勝ちにこだわりたいという気持ちはありました。来年のアジア大会の開催地は地元・名古屋。自分が現役の間にこんなことがあるのは最初で最後だ思うので、絶対に自分が出て優勝したい」