2025年天皇杯全日本選手権最終日は12月21日、東京・駒沢体育館でオリンピック階級・男女7階級の敗者復活戦とファイナルが行われ、現役世界王者同士の対戦となった男子フリースタイル74kg級決勝は、70kg級世界チャンピオンの青柳善の輔(クリナップ)が74kg級世界チャンピオンの髙橋海大(日体大)を4-4のビッグポイント差によって下し、この階級での初優勝を遂げた。通算4度目の優勝。
試合は、髙橋が2度のアクティブポイントで2点をリードしたが、第2ピリオド終盤に青柳がタックルとローリングで4-2とリード。髙橋が最後にテークダウンで2点を返したが、ビッグポイントの数で青柳の手が上がった。男子で現役世界チャンピオン同士が激突するのは、1965年全日本学生選手権で福田富昭(同年57kg級世界王者)と吉田嘉久(同年52kg級世界王者)が闘って以来、60年ぶりだった。
同65kg級はパリ・オリンピック王者で今年の世界選手権2位の清岡幸大郎(カクシングループ)が同61kg級代表の須田宝(山梨学院大)を破って2年ぶり2度目の優勝。最優秀選手に贈られる天皇杯を受賞した。
パリ・オリンピック代表同士の闘いとなった女子62kg級は、同68kg級3位の尾﨑野乃香(慶大)が、同62kg級優勝で今年の世界チャンピオンでもある元木咲良(育英大助手)を3-3のラストポイントで破り、この階級で2年連続4度目の優勝。68kg級と合わせ5度目の日本一となった。
同50kg級は須﨑優衣(キッツ)がU23世界選手権53kg級優勝の森川晴凪(至学館大)を3-0で破り、1回戦からの4試合を無失点で勝ち抜き、3年ぶり4度目の優勝。同57kg級は藤波朱理(日体大)が今年の世界選手権代表の德原姫花(自衛隊)にあわやフォール負けのピンチを迎えながら、耐え抜いて逆転勝ち。この階級での初優勝を飾り、通算4度目の日本一へ。国内外の連勝を「150」とした。
男子グレコローマン77kg級はパリ・オリンピック王者の日下尚(マルハン北日本)がU23全日本選手権優勝の堀北一咲望(宮崎県スポーツ協会)に勝ち、この大会は2019年72kg級以来、2度目の優勝。ライバル対決となった同67kg級は、昨年優勝の遠藤功章(東和エンジニアリング)がパリ・オリンピックと今年の世界選手権代表の曽我部京太郎(ALSOK)を破り、63kg級を含めて4度目の日本一に輝いた。
各階級の成績は下記の通り。
| 女 子 | 50kg | 53kg | 55kg | 57kg | 59kg |
| 1~3位一覧表 | 62kg | 65kg | 68kg | 72kg | 76kg |
| 男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg |
| 1~3位一覧表 | 79kg | 86kg | 92kg | 97kg | 125kg |
| 男子グレコローマン | 55kg | 60kg | 63kg | 67kg | 72kg |
| 1~3位一覧表 | 77kg | 82kg | 87kg | 97kg | 130kg |
《個人賞》=pdfファイル
【天皇杯(最優秀選手賞)】清岡幸大郎(男子フリースタイル65kg級=カクシングループ)
【優秀選手賞】▼女子 藤波朱理(57kg級=日体大)、▼男子フリースタイル 青柳善の輔(74kg級=クリナップ)、▼男子グレコローマン 日下尚(77kg級=マルハン北日本)
【50kg級】=18選手エントリー
▼決勝
須﨑優衣(キッツ)○[3-0]●森川晴凪(至学館大)
▼3位決定戦
大野真子(不二精機)○[3-1]●坂本由宇(Bearcat wrestling club)
小川凜佳(育英大)○[9-0]●金山 來実(愛知・至学館高)
▼敗者復活戦
坂本由宇(Bearcat wrestling club)○[4-4]●米原実穂(ケアサポート)
金山 來実(愛知・至学館高)○[VSU、5:10=10-0]●恒久青花(福岡・三井高)
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【57kg級】=10選手エントリー
▼決勝
藤波朱理(日体大)○[4-2]●德原姫花(自衛隊)
▼3位決定戦
木下凛(神奈川・釜利谷高)○[2-1]●本原理紗(東洋大)
屶網さら(KeePer技研)○[フォール、1:59=4-0]●岩崎 美優(東京・日体大桜華高)
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【62kg級】=9選手エントリー
▼決勝
尾﨑野乃香(慶大)○[3-3]●元木咲良(育英大助手)
▼3位決定戦
稲垣柚香(自衛隊)○[VSU、3:38=10-0]●吉川華奈(JWA/東京・帝京高)
尾西桜(日体大)=相手なし
【65kg級】=15選手エントリー
▼決勝
清岡幸大郎(カクシングループ)○[5-2]●須田宝(山梨学院大)
▼3位決定戦
荻野海志(山梨学院大)○[3-0]●諏訪間新之亮(自衛隊)
田南部魁星(ミキハウス)○[VSU、3:45=11-0]●宮崎楓大(国士舘大)
▼敗者復活戦
宮崎楓大(国士舘大)○[9-0]●仁木武(国士舘大学)
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【74kg級】=12選手エントリー
▼決勝
青柳善の輔(クリナップ)○[4-4]●髙橋海大(日体大)
▼3位決定戦
小川統己(川金ホールディングス)○[4-1]●瀧澤勇仁(慶大)
高田煕(自衛隊)○[VSU、2:35=12-0]●神谷樹生(日体大)
【67kg級】=13選手エントリー
▼決勝
遠藤功章(東和エンジニアリング)○[3-1]●曽我部京太郎(ALSOK)
▼3位決定戦
清水賢亮(自衛隊)○[VSU、4:30=8-0]●鈴木飛来(育英大)
矢部晴翔(自衛隊)○[VSU、2:25=13-2]●長谷川虎次郎(育英大)
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【77kg級】=15選手エントリー
▼決勝
日下尚(マルハン北日本)○[4-0]●堀北一咲望(宮崎県スポーツ協会)
▼3位決定戦
島袋希理瑠(C-Knacks)○[7-1]●角出直生(東洋大)
本名一晟(育英大)○[不戦勝=負傷]●櫻庭功大(自衛隊)
▼敗者復活戦
本名一晟(育英大)○[VSU、4:05=9-0]●大石達也(育英大)