昨年の秋季リーグ戦で一部最下位となって二部に降格した日本文理大が、2シーズンをかけて一部リーグ復帰を果たした。
比江島研吾監督は「(降格してすぐの)春季に上がれず、悔しい思いが選手にも私にもありました」と、復帰の原動力を話す。予定より1季多くかかった復帰に、「長かった」という気持ちがあるそうだが、「選手がよくやった。その言葉に尽きます。ホッとしています」と、目標達成を振り返った。
同リーグは一・二部の入れ替え戦がなく、一部最下位チームと二部優勝チームが自動的に入れ替わるシステム。一部で闘っていたチームの実力は、二部では抜けていることが多く、降格してもすぐに復帰、がよくあるパターンだった。しかし、今年春季の日本文理大は3位に終わり、即復帰はならず。今大会で復帰を目指しての優勝だった。
春季は「勝って当たりまえ、という気持ちがあった」との反省が残った。今大会では、そうした気持ちを捨て、「1から、いえ0からのスタートに徹しました。二部リーグとはいえ、どのチームにも強い選手はいるので、油断することなく臨みました」と言う。
その言葉通り、予選リーグ3回戦の南九州大戦はチームスコア2-3とリードを許してからの逆転勝ち。決勝の中京学院大との一戦は、どちらに転んでもおかしくない試合もあり、2連勝のあと2連敗と競った試合となった末の勝利。特に2日目は、気の抜けない闘いの連続での優勝だった。
それだけに、一部リーグに定着を目指したいところ。「(二部で)優勝したとはいえ、本来の場所に戻ってきただけ。ここからがスタート」と気を引き締める。まず来年春季で一部リーグ残留を目指し、さらに強化して秋季には優勝争いに加わることを目標に掲げる。
同監督は2018年に大学職員となり、コーチに就任。2023年に監督に昇格し、来年が4年目になる(関連記事)。コーチ1年目の2018年秋季は一部リーグの決勝も経験しており(注=当時は総当たりリーグ戦で、中京学院大との最終戦が実質的に決勝だった)、優勝することの厳しさも知っている。
当時より、どの大学も強化しており、全体のレベルが上がっていることを感じており、気が引き締まる思いのようだが、「自分たちのいる場所は一部リーグ。上がったうれしさより、ここからだ、という気持ちを全選手が持っています」と話し、一部定着と2011年春季以来の優勝を目指して突き進む。