2025.11.25

【2025年東日本大学女子リーグ戦STIカップ・特集】就任1年目での優勝! 女子全体の発展を目指す日体大・田南部力監督

 2017年の大会スタート以来、最多の6チームが参加した2025年東日本大学女子リーグ戦STIカップ。オリンピック・チャンピオンの藤波朱理(57kg級)と世界チャンピオンの尾西桜(62kg級)を擁する日体大が、4連覇を目指す育英大を振り切り、2019年大会以来、コロナによる2度の中止をはさんで6年ぶりの優勝を遂げた。

▲優勝を決め、喜ぶ選手と田南部力監督

 今年4月に就任した田南部力監督「(2勝2敗のあとの)伊藤渚がよくやってくれた。練習の成果が出たと思います」と、68kg級での試合を制した62kg級学生チャンピオンの健闘を評価。部員を信用しないわけではないが、育英大の軽量級の強さを考えると、2勝2敗で最後の試合に勝負がもつれることは想定内。プレッシャーのかかる最後の試合で、粘って接戦を制した伊藤の健闘をたたえた。

 団体戦で大切なことは、負けるにしても、あっさりと負けるのではなく、粘りに粘り抜いて勝利への執念を続く試合にもたらすこと。その部分で、試合には負けたが50kg級と53kg級が「よくやってくれたと思います。その流れが(藤波、尾西が引き継いで)伊藤につながったと思います」と振り返った。

 「藤波、尾西の世界一の選手の存在は、心強かったのでは?」との問いに、「練習では、伊藤も引けをとっていないんですよ。切磋琢磨してやっていることが、生きたんだと思います」と話した。

▲日体大優勝の立役者、伊藤渚

女子の熱い闘いを「多くの人に関心を持ってもらいたい」

 昨年までの3階級制から5階級制になったことは、部員の多い日体大にとって有利な状況になったと言えるが、そうした自チームの有利不利より、階級増によって熱戦が多く展開されたことの方がうれしそう。「IOC(国際オリンピック委員会)が男女平等を求めている以上、女子も男子なみにしなければなりません」と、どのチームも選手が増え、それによって今以上の熱い大会となることが、目指す方向。

 今大会は、階級増による熱戦の増加だけでなく、チアリーディングや“高谷大地アナウンサー”の力もあって、これまでにない会場の盛り上がりがあった。「女子だけの大会で、ここまで熱く燃えていることを、メディアにしっかり発信してもらい、多くの人に関心をもってもらいたいです」と、女子全体の発展を目指す気持ちを表した。

▲【左写真】尾西桜ら日体大の女子選手がよくやる勝利のポーズ、【右写真】2004年アテネ・オリンピックで見たことあるような…

 選手の次の試合は天皇杯全日本選手権(12月18~21日、東京・駒沢体育館)。団体戦と個人戦の違いはあるが、今大会の優勝によっていいムードで迎えられそう。「4年生は学生最後の大会。しっかり準備させて臨ませたい」と、選手のサポートに全力を尽くす。