2025.11.19

山梨学院大チーム(7選手)がロシアから帰国

 ロシア・ヤクーツクで行われた2025年「ドミトリ・コーキン国際大会」に出場した山梨学院大チームが11月18日、成田空港に帰国した。

 11月にもかかわらず、わずかだが雪が積もっていて最低気温はマイナス35度まで下がったと言う。その中での闘いで、61kg級の須田宝が優勝してベスト・レスラーに選出され、65kg級の内田怜児も国際大会初優勝を飾った。他に「銀1・銅1」を取った。

▲ロシアから帰国した山梨学院大チーム

 高橋侑希コーチは「いい成績を残してくれたので、コーチとしてうれしい」と安堵の表情。ヤクーツクのあるサハ共和国の大統領をはじめとした現地の人が「(ウクライナとの)戦争中なのに、よく来てくれた。レスラー同士は、みんなが兄弟」などと言ってあたたかく迎え入れてくれ、しっかりとサポートしてくれたことで「持てる力を十分に発揮できた」と感謝した。

 参加は圧倒的にロシア選手が多く、次から次にロシア選手との試合が続いた。往路の経由地であるイルクーツクで地元の選手と練習し、日本選手はロシアのスタイルに戸惑っていたそうだが、試合で好成績を挙げた選手はそれに対応して実力を出したわけで、教え子の対応力が頼もしい様子だった。

 同コーチは2019年にヤクーツクでワールドカップが行われたときの日本代表チームの一人。そのときの会場の熱狂ぶりはすごかったが、今回はそれ以上と言えるほどの熱狂。3,000人ほど入る会場は満員で、立ち見客もいたほど熱く包まれていたと言う。その中で実力を出すことは、どんな大会でも勝つために必要な要素。「レスリングを大好きな人が多い地に行くのは、競技力向上に必要なことだと思いました」と言う。

日本にいてはできない経験…61kg級・須田宝

 アジア王者として参加し、期待通りに優勝を勝ち取った61kg級の須田は「初めてのロシアでの試合。これまでとは違う環境で、レスリングのスタイルも違い、日本にいてはできない経験をさせてもらいました」と、実り多い遠征だったことを話す。決勝は1-1の同スコアでの勝利。タックルを何度か切られたそうだが、「自分から攻めていたので、内容でも負けていなかった」と言う。

 アジア選手権優勝、UWWランキング大会2連勝という実績からして現地での注目も高く、自分への声援も多かったそうだ。「楽しかったです。ふだんできない体験ができ、また行きたいです」と言う。全日本選手権から65kg級に上げる予定で、すでに階級アップのための体づくりに入っている。「壁は高いと思うけど、しっかり体をつくって闘えるようにしたい」と話した。

▲ヤクーツクでの選手=提供:三恵海運・藤本健太監督(現地在住の宿敵&友人から入手)

 65kg級の内田は8月のU20世界選手権銀メダルに続き、国際大会で初優勝を挙げた。「シニア初の国際大会で優勝でき、とてもうれしかったです。大学でやっている筋トレのおかげで、パワーで勝てたことが勝因だと思います」と振り返った。初戦のみ8-7の接戦。相手のタックルが速く、グラウンドもうまかったことが苦戦の原因で、そのあたりの克服が今後の課題だろう。

 国際大会初優勝とはいえ、国内の65kg級はとてもレベルが高いことを痛感している。「そこでも勝てるよう、これからも頑張って練習したい」と言う。


 ■57kg級2位・勝目大翔「決勝は負けてしまいましたが、シニアで初めての国際大会で決勝まで勝ち進めたので、いい経験になりました。決勝は地元選手が相手で、会場はすごい応援でした。楽しめました(苦笑)。実力差はあまり感じなかったですけれど、勝てなかった。もっと練習しないとなりません。全日本選手権は優勝を目指して頑張ります」

 ■70kg級3位・荻野大河「シニアの国際大会は初めてで、ロシア選手と闘うのも初めて。U17やU20で闘った外国選手とフィジカルの違いを感じました。2回戦でパリ・オリンピック5位のビクトル・ラッサディン(タジキスタン)と闘い、思った以上に勝負ができて自信がつきました。その気持ちで(敗者復活戦を勝って)3位決定戦に臨めて勝てたことに自分の成長を感じました。全日本選手権の出場資格をまだ持っていないので、来週の新人選手権で優勝して資格を取りたいと思います」

 ■74kg級5位・安藤慎悟「反省点しかありません。海外独特のアタックに翻ろうされ、何もできませんでした。(勝った試合は快勝、負けた試合は完敗)相手にペースをつかまれると対応できないのは、日本で負けるパターンと同じです。まず国内の大会で、その課題を克服したい」

 ■57kg級・山鹿辰士(2勝1敗)「決勝まで行って、勝目先輩と闘うことが目標でした。実力不足で、そこまで行けなかったことが悔しい。攻撃には自信があったのですが、ここぞというときに点が取れなかった。負けた試合は逆転負けで、気持ちの弱さが出てしまいました。同じ練習場に偉大な勝目先輩がいるので、勝てるように頑張りたい」

 ■61kg級・與那城一輝(1敗)「もっと試合をしたかった。勝たないと試合数をこなせない。相手のペースに合わせてしまったことと、ポイントを取れる場面だったのに相手に取られてしまい、焦って冷静に対処できなかった。これまでの課題としてあったことでした。来週の新人選手権でしっかり優勝し、全日本選手権でも優勝を目指して頑張りたい」

 
 
 
 
 
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