2025.10.17NEW

【2025年世界選手権・レビュー(9)】男子フリースタイル97kg級/優勝選手・表彰式・闘いのあと

(2025年9月13~21日、クロアチア・ザグレブ)


【男子フリースタイル97kg級】
カイル・スナイダー(Snyder, Kyle Frederick=米国)


 1995年11月20日生まれ、29歳。2013年世界ジュニア選手権優勝、2015年パンアメリカン大会優勝など実績を残し、同年の世界選手権97kg級でも優勝。「19歳9ヶ月」での世界チャンピオンは、2022世界選手権で女子72kg級のアミート・エロル(18歳8ヶ月)に更新されるまで米国史上最年少。男子では現在でも最年少になる。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピックで見事に優勝し、「20歳8ヶ月」の米国史上最年少のオリンピック・チャンピオンに輝いた(当時=現在は、2024年パリ大会で優勝したアミート・エロルの「18歳8ヶ月」)。2017年世界選手権はオリンピック86kg級王者アブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)とのオリンピック王者決戦に勝ち、オリンピックを含めて3度目の世界一へ。その後はサデュラエフらの壁があり、東京オリンピックを含めて世界一に見放されたたが、2022年に5年ぶりに世界の頂点へ

 2024年パリ・オリンピックは5位だったが、今大会は決勝で終了間際の逆転勝ち。オリンピックを含めて5度目の世界一に輝いた。


 ■カイル・スナイダーの話「(パリ大会の3位決定戦で負けた相手に決勝で雪辱)オリンピックでは、相手を疲れさせたと感じたが、出血がひどくて何度も試合がストップした。あれで試合の流れが崩れた。今回は、試合をタイト(ロースコアの接戦)にする作戦だった。こういう試合では、終盤に流れを変えて得点につなげられる。勝負は最後の数秒に絞られた。あの逆転のタイミングは完璧だったと思う。この試合はまさにハートの勝負だった。テクニックよりもハートが重要だった・

 出場するたびに、厳しい闘いになることは分かっている。米国の代表になることさえ難しい。長期にわたって安定した成績を残すために最も重要なのは、謙虚さであり、学び続け、努力を続ける姿勢だと思う。もちろん、ハードワークを続けなければならない。今年は、これまでの人生で経験したことのないほどハードなトレーニングをしたと思う。それを毎年、毎年、続ける姿勢が必要なんだ」


《1回戦~決勝の成績》ブラケット
決 勝 ○[4-2]Amirali Hamid AZARPIRA(イラン)
準決勝 ○[9-1]吉田アラシ(日本)
3回戦 ○[5-0]Zbigniew BARANOWSKI(ポーランド)
2回戦 ○[VSU、2:45=10-0] Cristian Jose SARCO COLMENAREZ(ベネズエラ)
1回戦  BYE


【表彰式】

[1]Snyder, Kyle Frederick(米国)
[2]Azarpira, Amirali Hamid(イラン)
[3]Tazhudinov, Akhmed(バーレーン)
[3]吉田アラシ(日本)
[5]Magamaev, Ahmed Adamovich(ブルガリア)
[5]Baranowski, Zbigniew Mateusz(ポーランド)