2025年の男子グレコローマン大学日本一を決める文部科学大臣杯全日本大学グレコローマン選手権は10月18日(土)~19日(日)、東京・駒沢体育館で行われる。昨年は育英大が5階級を制し、「0点」(9位以下)の階級が2階級ありながらも66点をマークし、60点の日体大を押さえて初優勝を飾った。4年連続23度目の優勝を阻まれた日体大の巻き返しはあるか。大学対抗得点の見どころをさぐった。
なお、主催の全日本学生連盟、主管の東日本学生連盟(ともに吉本収会長)は、土日曜日開催ということで各大学のOB・OGが応援に来場してくれることを熱望。吉本会長は「OB・OGのみならず、キッズから高校選手まで、さらにレスリングを応援してくれる人や、興味を持ち始めた人など、多くの人が駒沢に足を運んでほしい」と望み、この大会を機に「グレコローマンに親しみを持ち、発展してくれること目指します」と話した。
5月の東日本学生リーグ戦・決勝では、選手がスモークがたかれた花道をスポットライトに照らされて入場するショーアップが行われたが、今大会はプロレスのリングアナウンサーを招へい。プロのアナウンサーによる選手紹介で決勝戦を盛り上げる趣向が予定されている。重責を引き受けたのは、かつてプロレスング・ノアほか、多くの団体でマイクをにぎった味方冬樹氏。どんなマイク・パフォーマンスで会場を盛り上げてくれるか。
大会初日は、オリンピアンと世界チャンピオンによるサイン会、試合解説、技術指導が行われ(クリック)、レスリングの普及に尽力する。
《大会要項》《大学別エントリー選手》=階級別は「階級別・展望」に掲載
《各階級・展望》 《大会サイト》
10月18日(土)午前10時 1回戦~準決勝/全階級
19日(日)午前10時 敗者復活戦・3位決定戦・決勝/全階級
【ルール】実施10階級のうち、8階級まで出場可で、非オリンピック階級(55・63・72・82kg級)は2階級まで。各階級とも成績を「優勝=12点、2位=9点、3位=6点、5位=3.5典、7位=2点、8位=1点」とポイント化し、合計得点で競う。
昨年、5階級を制した育英大は、ことしも過半数を制するチーム力を持っている。2連覇目指す67kg級の長谷川虎次郎と130kg級のバトバヤル・ナムバルダクワに加え、72kg級の鈴木飛来もライバル不在で「◎」マーク。
強力なライバルがいるので「◎」とまでは言えないが、最低でも2位か3位を計算できるのが55kg級の白川剣斗、60kg級の中島拓摩、77kg級の本名一晟の3選手。87kg級の渡邊虎汰郎と97kg級の佐々木優太もファイナルに残る実力を持っているので、昨年と違って「0点」(9位以下)の階級が見当たらない。総得点は、66点(12点×3、6点×5)を上回り、70点を超える可能性も十分。
日体大は、77kg級の友寄汰志、82kg級の吉田泰造、87kg級の鬼塚一心に「◎」マーク。ここに、55kg級の森下大輔と60kg級の金澤孝羽も優勝を引き寄せる力があるので、5階級制覇の可能性もある。残る3階級で、「0点」を避けて3位以上に食い込むことで得点を78点(12点×5、6点×3)まで伸ばすことができる。
勝負の世界に避けられない“とりこぼし”があるだろうが、70点前後で育英大との争いとなるか。
昨年3位の山梨学院大は、グレコローマン専門の選手は少ないが、今年の全日本学生選手権で2位に入った65kg級の荻野海志や、昨年の同選手権で優勝したアビレイ・ソビィットら、グレコローマンをやらせても強い選手がいる。育英大と日体大の選手を“つぶし”、両大学の総合得点を下げることで優勝の目も出てくる。
専大、拓大、早大にも優勝を狙える選手がいる。多くの大学からメダリストが生まれる“戦国時代”の構築が期待される。